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組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

マレーシア赴任で面食らった家電&水漏れショック
異国の地から日本企業の「文化的対応」を考える

――処方箋㉗ 組織は「なぜその文化が存在するか」を冷静に研究せよ

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第27回】 2013年9月4日
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在庫切れでもディスプレイはそのまま
マレーシアに赴任した筆者の違和感

 筆者は、8月よりマレーシアのモナッシュ大学に赴任している。

 モナッシュ大学はオーストラリアのメルボルンに本校があり、オーストラリアに6キャンパス、さらにマレーシアと南アフリカにキャンパスを展開している巨大大学だ。

 マレーシア校のビジネスクールは、今年の1月にニューロビジネス分野を新設した。私はその分野の専任として赴任している。

 マレーシアで生活するのは初めてなので、この1ヵ月は仕事よりも生活の基盤をつくることに時間を費やした。

 最近、マレーシアはロングステイ先として、日本人の間では最も人気のある国だという。日本より物価が安く、年中過ごしやすい気候である(意外なことに日本より快適)、英語がある程度通じるなど、日本人によって住みやすい条件がそろっている。しかし、異なる国で暮らせば、様々なものが違ってくるのは当然のことで、トラブルも色々と起こる。

 それらの中には、もちろんビジネスに関することもある。

 掃除機を買いに、ある日系スーパーに行ったときのこと。日系といっても店員はみなマレーシア人だ。展示されているセール品をほしいと言うと、もう在庫切れだという。

 では、その近くに展示されていた別の商品がほしいというと、それも在庫がないという。「じゃあ、これでいいや」という気持ちで、真ん中に展示されていた多少高い製品を指さすと、「先月にもう売り切れた」という返事。

 さすがに「在庫のないものを何で展示してるの?」と訊いてしまった。店員は肩をすくめて「展示しないとスペースが空くでしょ」。つまり、ところ狭しと商品がディスプレイされている方が、店としての格好がつくので、在庫がなくてもそのままにしているらしい。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

職場で「不快感」を訴える社員が急増している。成果主義的な評価制度を導入する企業が増えたことにより、チームワークよりも自分の業績を重視する社員が増え、「ギスギス職場」が生まれているからだ。一方で、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある職場では、職場の「世代間ギャップ」もかつてなく広がっている。こうした職場は結束やコミュニケーションを失い、社員の不快感は増していく。職場の不快感を取り除くには、制度的な「仕組み」を導入するだけでは不十分だ。部下1人1の「心」に効く、メンタル・マネジメントの方法論を上司が体系的に理解しておく必要がある。この連載では、日本の職場で起こりがちな「不快感」の臨床例を毎回わかりやすく紹介し、それを解決するメンタル・マネジメントの方法論を、社会心理学的な視点を織り交ぜながら、詳しく解説していく。

「組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」」

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