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吉田恒のデータが語る為替の法則

英国が危機的状況で英ポンド暴落!
為替はリスク回避で円高の動きだが…

吉田 恒
【第15回】 2009年1月28日
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 先週も一時87円割れ寸前まで円高が進むなど、なかなか円高一服となりません。ただ、そういった中で、ちょっと注目してみたいのが米長期金利の上昇です。

 以前もこのコーナーで紹介したように、ドル/円と米長期金利は過去2年以上、非常に高い相関関係が続いてきました(「ドル/円は100円に戻るのだろうか?」などを参照)。

 その意味では、ドルは米長期金利次第なのですが、その米長期金利がこのところ結構上昇しているのです。

 ドルは対円で安値圏の推移が続いているのに、米長期金利は1月半ばの2.1%から、今週は2.6%を越えてきました。これは両者の相関関係が変わったということでしょうか。そうでなければ、ドル安か米長期金利上昇のどちらかが間違っていることになります。

 もしも米長期金利上昇が正しければ、相関関係からするとドルは92円を越えて上昇することになります。そうでなくて、ドル安が正しければ、米長期金利は再び2.1~2.2%程度へ低下することになりますが、果たして?

ガイトナー発言でドルが
下落したという解釈は怪しい

 もちろん、相関関係が変わったという解釈もあるでしょう。たとえば、今回の米長期金利上昇が加速し始めたのは、22日にガイトナー財務長官が、「オバマ大統領は中国が為替を操作していると信じている」と発言した後からです。

 米中の対立で、大量に米国債を保有している中国が「米国債離れ」に向かうといった思惑が浮上した結果ということなら、米国債下落(利回り上昇)、ドル下落という反応は当然あり得るものです。

 ただし、実はこのガイトナー発言後のドル下落というのは少し怪しいところがあります。確かに対円ではドル安となったわけですが、円以外の通貨に対してはむしろドル高となりました。その結果、ドルの総合力を示す実効相場は高値圏での推移となっていたのです。

 このように見ると、ガイトナー発言でドル安、米長期金利上昇となったというのも微妙なようです。むしろ、米長期金利上昇とドル安・円高は、それぞれ別々の論理での動きと考えるのが自然でしょう。そうであれば、どちらかが間違っている可能性もあるでしょう。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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