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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

五輪開催をゲットした日本
新たな課題はソフトパワーの発信力

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第172回】 2013年9月12日
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2020年の夏季五輪の開催地が東京に決まり、東京はアジアで初めて2度目にオリンピックを開催する都市となった。このニュースが中国に伝わると、喝采を送る人々と冷ややかな目で見る人々というニ極に反応が分かれてしまった。しかし、時差によるストレスを感じずに試合を楽しめるという意味では、みな、東京での開催を喜んでいる。

日本製品の支持が落ちている背景

 同時に気になる話もある。日本貿易振興機構(ジェトロ)が中国主要都市で実施した消費者向けアンケート調査によると、7割強の中国人消費者が日本製品を買い控えているという。領土問題による紛争がビジネスの現場に大きく影を落としていることも事実なのだ。

 日本製品に対する買い控えの原因はおそらくより複雑だと思う。化粧品を例に挙げてみれば、欧米系のほかに、韓国系も近年、中国でかなり人気を得ている。だから、日本製品への支持率がもともと下がる環境にある。そこに領土問題など政治的な要素が入ってくると、問題がさらに複雑になってしまったのだ。家電製品、パソコンや携帯電話など情報系製品、自動車とその関連製品、アパレル製品にも同様な傾向が見られる。

 中国の大手家電メーカー・ハイアールを取り上げた筆者の新刊書『世界シェアNo.1を獲得した顧客戦略』(中経出版)でも指摘した通り、完成品としての日本製品の存在感と競争力が落ちている。いままでのやり方では、思う通りに事が運ばなくなってしまっていることも事実だ。発想を切り替えて、新しい視点と発想で日本の魅力をアピールする必要がある。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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