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高橋洋一の俗論を撃つ!

経済対策の財源は20兆円あり!
消費税増税は不要だと分かる

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第76回】 2013年9月19日
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 消費税増税については、10月に安倍総理が最終決断するとされているが、増税の方向とされている。となると、増税による景気の腰折れ失速が懸念される。

 そこで、規模は5兆円程度といわれている景気対策という流れになっている。もっとも、9月13日、麻生太郎財務相は、経済対策では、基本的には国債発行をしない方向で検討するとの認識を示した。

 財政再建のために増税し、それでは景気が危ないからといって、補正予算を組むだけでも、本末転倒だといわれそうだ。まして、その補正予算に財源が足りないというので国債発行したら、それこそなんための増税かという声が国民から怒りが出てくるだろう。それをなんとか回避したいために、財務省は補正予算では国債発行したくないようだ。

 補正予算は、10月15日から予定されている臨時国会には出さずに、来年、通常国会の冒頭でという話も出ている。政府は消費税増税問題を今度の臨時国会ではあまりやりたくないようだ。10月15日から開くというのも遅すぎる。

補正予算の財源を考える

 いずれにしても、それほど大型補正予算を組むことが大変なのか。補正予算の財源を考えてみよう。

 まず、今年1月の2012年度補正を見てみよう。一般会計で歳出総額10兆2027億円で、その財源として①税収2610億円、②税外収入1495億円、③公債金5兆2210億円、④前年度剰余金受入8706億円、⑤前年度剰余金受入(復興財源)1兆1165億円、⑥年金特例公債金2兆5842億円。また、歳出のマイナス項目であるが、⑦既定歳出削減2兆0650億円がある。

1.税収(①)、2.国債(③、⑥)、3.税外収入(②)、4.前年度剰余金(④、⑤)、5.既定歳出削減(⑦)が補正財源候補というわけなので、それぞれを見ておこう。

1.税収

 景気回復による自然増収。景気回復局面での税収弾性値(GDPが1%増えた場合に税収が何%増えるかの割合)は3程度なので、4~6期のように名目4%成長であれば、年度ベースで4兆円以上の税増収が期待できる。これから、補正財源となる税収は2兆円とみておこう。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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