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宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!
【第6回】 2013年9月27日
著者・コラム紹介
宝珠山卓志 [株式会社D2C 代表取締役社長]

課題先進国だからこそ、
グローバル市場を狙えるサービスが出てくる

「らくらくホン」の成功に学べ!

 超高齢化社会に向けた「らくらくホン」と子供の安全性を最優先に考えた「キッズケータイ」いずれもNTTドコモの製品シリーズ名であるが、両シリーズは、日本のモバイル市場における一つの金字塔であると思っている。

 まずは「らくらくホン」だが、主に高齢者層をターゲットとした携帯電話端末シリーズとしてスタートした。ターゲットとしては携帯電話初心者も含まれていたようだが、基本は高齢の初心者ということだったと思う。

 建築物や乗り物などもそうだが、たとえば高齢者や身体障害者“だけ”が使いやすい設計やデザインというのはよくない。あくまでも万人が使いやすく、その中でもターゲットとなるユーザー層に喜ばれる、そうしたユニバーサルデザインが基本になくてはいけない。らくらくホンもmovaの時代からそれを基本に置いていた。その上で、特徴はどのようなものであったかと言うと、まず機能を絞り込んでシンプルにした。ディスプレイやキー(ボタン)の文字サイズを拡大し、ボタンの凹凸も少し大きくして押し間違いしにくいようにした。

 その上で、らくらくホンならではの機能を順次搭載した。たとえば、受話音量を調節するダイヤルスイッチや歩数計機能、はっきりボイス機能、ゆっくりボイス、さらに、メニューやメールなどの文章読み上げ機能。らくらくホンは基本的に富士通の開発製品であるが、このうちダイヤルスイッチ、文章読み上げ機能以外は富士通の他の携帯電話にも採用された。高齢者向けに開発した機能が、まさにユニバーサルな機能として、一般機種にもフィードバックされていったわけである。また読み上げ機能は、高齢者のみならず、視覚障害者のニーズにも応えることとなった。

 らくらくホンは1999年、初代は当時の松下通信工業によって開発されたが、その後は富士通が請け負い、1年に一度モデルチェンジを繰り返してきた。そして「docomoらくらくホン」から「ドコモらくらくホン」とシリーズ名は微調整されたが、単独のシリーズとしてここまで来ている。とは言え、iモードへの対応やmovaからFOMAへの移行、カメラの搭載など、大きな流れは一般モデルと統一してきた。つまり、らくらくホンも多機能化されていったわけで、その後もスマートフォンに至るまで富士通製が基本路線で来ている。

「ドコモらくらくホン」は現在5機種がラインナップされている。

 シニア層でもスマートフォンを望む声が多くなったと判断して、昨年、アンドロイド端末として初の「らくらくホン」が富士通製として発売された。ARROWSシリーズのARROWS Me F-11Dをベースにした「らくらくスマートフォンF-12D」である。

 ディスプレイサイズを拡大し、有効画素数もアップさせた。秀逸だったのは「らくらくタッチパネル」。これは、指が触れている間だけアイコンの色が変わるという機能だ。しかもその状態で押し込むと振動が指に伝わるので、誤動作が減る。さらに、「うっかりタッチサポート」や、押したい場所を自動補正する「おまかせタッチ」などの優れものの機能を搭載した。

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宝珠山卓志[株式会社D2C 代表取締役社長]

1972年2月9日生まれ・東京育ち・妻と子供一人・趣味はシャンパーニュ。
1995年早稲田大学社会科学部卒業後、電通入社。マーケティング局配属後、第7営業局NTTドコモ担当。2000年D2Cへ出向。営業部長、営業推進部長を経て、2004年取締役COOに就任。2010年代表取締役に就任。現在に至る。


宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

モバイルマーケティングの第一人者が、業界動向や日々の話題にふれつつ、日本あるいは日本企業が持っている力の再検証と、それらを踏まえたグローバル市場における日本企業のポテンシャルを前向きに検証していく。

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