当コラムをきっかけに、これまで引きこもっていた人や、失業して求職活動中の人、いまは働いているものの将来に不安を感じている人たちなどの間で、いろいろな動きが次々に生まれている。
そのうちの1つの動きが、今年5月末、失職してハローワークに2年半通い続けてきた50歳代のMさんの呼びかけで、読者が集まって都内に設立した任意団体「中高年人材センター」だ。
中でも、10月5日に開かれた第3回ミーティングでは、中高年人材センター発の「NPO法人化」や、「廃校・空き家などを利用した地域活性化ビジネス」、「メディア・ペニンシュラ構想」、「在宅ワーカー支援」などの分科会がつくられるなど、初めて具体的な事業化に向けて動き出した。
ユニークなのは、参加者の9割以上が当コラムの読者である点。これまでは2ヵ月に1度、中央区の会場でミーティングが開かれてきた。
この同センターの3回目のミーティングは、10月5日に行われ、朝から本降りの雨の中、20人を超える参加者が集まった。
失業の原因追究から事業づくりまで
NPO法人化によって目指す
この日も、うつ病を患っている人、引きこもり経験者、就職活動で疑問を感じた人、なかなか仕事に就けない人、リハビリ中の人、キャリアカウンセラー、会社員、自営業者、飲食店経営者、クラウドファンディングの会社を立ち上げたばかりの人と、参加者は実に様々だ。
まず、中高年人材センター発の「NPO法人の設立」について、NPOやNGOのスタッフ経験者の男性がプレゼンした。
この経験者は、「仕事や活動をバックアップしていくためのNPO」として、「失業した中高年と就職に失敗した若年者の協働による実務能力向上と、中高年者の起業を支援」することを目的に、経理・社会保険・給与計算の業務受託サービスや助成金申請などのファンドレイズサポート、システム開発、人材の共有といった業務内容を明らかにした。
また、中高年が失業を起こしている原因の究明や影響する問題点について政策の提言を行う「アドボカシー」や、地域活性化、寄り添い業務、安否確認といった「高齢者の生活サポート」事業、3Dプリンタを利用した「福祉ものづくり」事業など、多くの事業を行うためのNPOを設立しようという呼びかけに、多くの参加者が手を挙げた。10月中に法人設立の分科会が開かれる予定だ。