新規開拓が難しいと言われる法人向けビジネスで、新しいお客様を効率よく獲得する方法があります。それが「クジラ市場」と「雨ざらし市場」という2つの空白マーケットを狙うこと。船井総研の売れっ子コンサルタントがその攻略ノウハウを明かします。第2回は、小さな会社こそ空白マーケットを狙うのが効果的という話をします。
インターネットが法人営業の
常識を塗り替えた
前回の記事で、「法人営業の会社が消費者相手の商売に手を出してもうまくいかない」と述べました。ではどうすれば、不況下でも業績を上げることができるのでしょうか?
そのためにはやはり、「新規開拓」を行うしかありません。現在のような市場縮小期になると既存顧客だけでは売上を維持できなくなりますから、どのような業界であれ、新規開拓に取り組まざるを得ないのです。
ところが、法人営業の会社では「新規開拓は難しいもの」だと思われています。それには前回述べた3つの誤解に加えて、もう1つ大きな理由があります。それは次の理由です。
「法人営業は“集客”が難しかった」
これは一体、どういうことでしょうか?
営業と集客の関係をわかりやすく説明するために、消費者相手の新規開拓を考えてみましょう。
多くのリフォーム会社では新規開拓営業を行うために、その前段階として新聞の折り込みチラシで広告を打ちます。チラシを見て興味を持った人は、そのリフォーム会社に電話を入れます。営業マンが動くのは、そうした電話(引き合い)が入ってからです。
住宅会社にしても同じです。最近では彼らもいきなり飛び込み営業をするようなことはありません。まずは折り込みチラシなどで住宅展示場に集客を図り、そこに来場した見込み客に対して営業をかけるのが一般的です。自動車ディーラーにしても同じです。まずはショールームへの来店を促し、試乗してもらった後で営業を行うのが普通です。
このように、営業だけでは新しいお客様を獲得できないのです。新規開拓を進めるためには、営業を行う前に「集客」を行う必要があるのです。
ところが法人営業の場合、集客はそう簡単にいきません。法人営業の会社が扱うのはニッチな商品で、限られた対象を顧客としているケースが大半だからです。新聞の折り込みチラシのような広告手段は費用対効果が見込めません。ダイレクトメール(DM)を送るにしても、顧客リストがなければ、どの会社の誰に送ればよいのかわかりません。
つまり法人営業の世界では、営業を行う前の「集客」がうまくできなかったので、新規開拓もうまく進まなかったのです。