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安東泰志の真・金融立国論

半沢直樹もびっくり!あの「金融庁検査」の
大改革は銀行にとって吉か凶か

安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]
【第38回】 2013年10月24日
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ドラマ「半沢直樹」ですっかり有名になった「金融庁検査」。現実の世界では、この下半期からその検査が大きく変わろうとしている。その内容には先進的な部分も、劇薬も含まれる。果たして、この変化は銀行にとって吉となか凶となるか……。

金融庁検査の虚実

 金融庁検査の予告が入って大騒ぎになる行内、大口融資先の資産査定を巡る金融検査官とのせめぎ合い、臨店検査で細かな指摘事項に怯える支店長……といったドラマ「半沢直樹」ばりの金融庁検査が下半期から大きく変わろうとしている。この変化は銀行にとって吉か凶か。今回の金融庁検査方針変更の背景を考えてみたい。

 「半沢直樹」は、「伊勢島ホテル」という大口融資先の資産査定を巡る半沢とオネエ系の主任検査官との激しいやりとりを中心に描かれている。「疎開資料」を巡って半沢の自宅にまで金融庁が押し掛けるなど、実際の検査では絶対にあり得ない(銀行法で認められていない)ようなことまで出てくるのはご愛嬌として、これまでの金融庁検査の雰囲気をよく表している。

 ただ、金融庁検査は、資産査定だけではない。実際には350ページにも及ぶ「金融検査マニュアル」に基づいてガバナンス(経営管理体制)、リスク管理体制を中心に、これでもかというくらい多数のチェックポイントが設けられている。そして、立ち入り検査でそれらについて検査官が細かな「指摘」をし、それについて一つ一つ、「確認表」(図1)というシートで銀行担当者が反省文を書かされ、印鑑を押して提出するというプロセスをたどる。「確認表」は、図1を見ればわかるように、言ってみれば検査官が指摘したことを認め、懺悔し、「今後〇〇のように対応するから許してください」と謝る、「出来レース」のようなもので、ともすれば金融庁検査官への「お土産」的なものも散見された。

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安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]

東京大学経済学部卒業、シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。1981年に三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、1988年より、東京三菱銀行ロンドン支店にて、非日系企業ファイナンス担当ヘッド。90年代に英国ならびに欧州大陸の多数の私的整理・企業再生案件について、参加各行を代表するコーディネーターとして手がけ、英国中央銀行による「ロンドンアプローチ・ワーキンググループ」に邦銀唯一のメンバーとして招聘される。帰国後、企画部・投資銀行企画部等を経て、2002年フェニックス・キャピタル(現・ニューホライズンキャピタル)を創業し、代表取締役CEOに就任。創業以来、主として国内機関投資家の出資による8本の企業再生ファンド(総額約2500億円)を組成、市田・近商ストア・東急建設・世紀東急工業・三菱自動車工業・ゴールドパック・ティアック・ソキア・日立ハウステック・まぐまぐなど、約90社の再生と成長を手掛ける。事業再生実務家協会理事。著書に『V字回復を実現するハゲタカファンドの事業再生』(幻冬舎メディアコンサルティング 2014年)。
 


安東泰志の真・金融立国論

相次ぐ破綻企業への公的資金の投入、金融緩和や為替介入を巡る日銀・財務省の迷走、そして中身の薄い新金融立国論・・・。銀行や年金などに滞留するお金が“リスクマネー”として企業に行き渡らないという日本の問題の根幹から目をそむけた、現状維持路線はもはや破綻をきたしている。日本の成長のために必要な“真”の金融立国論を、第一線で活躍する投資ファンドの代表者が具体的な事例をもとに語る。

「安東泰志の真・金融立国論」

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