法人営業の会社がリピート客を効率よく獲得する方法。それが「クジラ市場」と「雨ざらし市場」の2つの空白マーケットを攻略すること。船井総研の売れっ子コンサルタントがそのノウハウを教えます。第4回は、競争の少ない空白マーケット「雨ざらし市場」が成り立つ条件とは何か?
「雨ざらし市場」に欠かせない
5つの条件
前回は「雨ざらし市場」の具体例として、零細居酒屋マーケット、零細工場マーケットなどの話をしました。では、こうした「雨ざらし市場」が成り立つためには、どんな条件が必要なのでしょうか。次に5つの条件を示します。
(1)事業規模が小さい市場であること(目安として従業者3人以下)
(2)一定規模以上の母数が存在する市場であること(目安は1万事業所以上)
(3)対象とする市場がセグメント可能であること
(4)対象とする市場が既存の流通チャネルに不満・不便を感じていること
(5)流通する商品の価格体系が不透明であること
1番目に、「雨ざらし市場」というのは事業規模が小さく、小口すぎて従来の人的販売では成り立たないマーケットであることが前提です。1つの目安として「従業者3人以下」の事業規模と考えればよいでしょう。
2番目に、下の図表に挙げた「雨ざらし市場」は、いずれも1万以上の事業所が存在する市場ばかりです。この事業所の数というのが、ほぼ市場規模につながると考えてよいでしょう。
「雨ざらし市場」を対象とするビジネスは基本的に通販という形をとりますから、取引1回あたりの平均単価は高くても3万円前後で考えなければいけません。そうすると事業所数が市場規模に直結することがわかります。例えば、事業所数が20万で、平均単価が1万円、購入頻度が年12回とすれば、その市場の規模は240億円と考えることができます。
もちろん、事業所数が多く市場規模の大きい市場は競争が激しくなります。逆に事業所数が少なく市場規模が小さい市場は、トップ企業になりやすくなります。