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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

アベノミクスによる公共投資増額で入札不調が続発
大型ハコモノ建設に走る自治体の「いつか来た道」

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第81回】 2013年11月5日
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ネットや電話で得られる情報では不十分
取材して初めて自治体の「現実」がわかる

 こちらから現地に赴き、当事者から直接お話をうかがった上で記事化する。そんなシンプルなことを貫いているが、行く先々で異口同音に言われることがある。「ネットや電話で調べれば済むのに、何でわざわざこんなところにまで来たの?」と、不思議がられるのだ。

 「別の狙いがあるのでは」との疑いの眼差しすら、向けられることもある。 そうした反応にこちらも慣れっこになっていて、「飛行機と電車、バス、タクシーを乗り継いで来ました」と、真顔で切り返すのである。

 もちろん、取材でお世話になる方に言われるまでもなく下調べはそれなりに行っているつもりだ。ネットや電話、メディアといったツールを活用し、事実関係の大枠を把握した上で取材先にお邪魔している。直接、寄せられた情報を基に動く場合もある。

 そもそも、何も知らずに取材先を決めることなどあり得ない。こちらのアンテナと問題意識に引っかかったものが、取材先の候補となる。なぜなら、誰かの意(命)を受けて取材活動を開始したりはしないからだ。事実をより深く、広く知りたいという好奇心が取材活動の原点であり、そうした活動の顛末をまとめ上げたものが記事となる。

 しかし、下調べを行い、ある程度のことを知ったつもりで現地に赴き、当事者にお話をうかがうと、必ずといってよいほどある感慨を持つことになる。それは「なるほど、そういうことだったのか!」という新鮮な驚きである。

 ネットや電話、メディアなどで得られる情報は必ずしも十全なものではない。むしろ、その先に重要な事柄が横たわっているケースが多く、現地を訪ねて初めてそうした現実の姿に触れることができる。

 だからこそ、「何でわざわざこんなところまで」と呆れ返られても、経費と時間、エネルギーをかけて現地に足を運ばねばならないのである。逆に言えば、「なるほど、そういうことだったのか!」という感慨が自然に湧き上がらなかったら、取材した意味がなかったということになる。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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