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ゲームのルールを変えろ
【第1回】 2013年11月6日
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高岡浩三 [ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEO]

第1回
データは「参考」にするが「信用」はしない
ビッグデータが語らないマーケティングの本質

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ネスレ日本100年の歴史において、史上初の生え抜き日本人CEOに就任した高岡浩三氏。「キットカット」受験生応援キャンペーンや「ネスカフェアンバサダー」など、数々の革新的な取り組みを実行してきた。『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)の刊行を記念して、著書では語り尽くせなかったマーケティングの真髄が明かされる。

ビッグデータは万能の解決策ではない

 私にとって、「マーケティングとは何か」は永遠の課題だ。それほどまでに、マーケティングは奥が深いものだと思う。

 最近は、どこに行っても「ビッグデータはこんなにすばらしい」という話になるが、私はその流れに疑問を呈したいと思う。「あえて人と違う視点を持つこと」、これも私流のマーケティングだと考えている。

 歴史をたどれば、POS(Point of Sales)データがもてはやされ、「ついに小売業界が変わる」「消費者の行動がわかる」と騒がれたことは記憶に新しい。しかし、その実態に目を向ければ、ほとんど何も変わってない。どれだけ精緻な数値データであっても、マーケティングの課題をすべて解決するわけではないからだ。

 私自身、事前調査によるデータと実際の発売後の結果を比べると、まったく違うという経験を何度もしている。

 ネスレ日本の副社長を任されたとき、私は、コーヒー事業のトップにも就任した。そのときに実施した「ネスカフェ ドルチェ グスト」の取り組みは、データだけに頼るマーケティングの問題を浮き彫りにするものだったのだ。

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    高岡浩三(たかおか・こうぞう) [ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEO]

    1983年、神戸大学経営学部卒。同年、ネスレ日本株式会社入社(営業本部東京支店)。各種ブランドマネジャー等を経て、 ネスレコンフェクショナリー株式会社マーケティング本部長として「キットカット」受験生応援キャンペーンを成功させる。 2005年、ネスレコンフェクショナリー株式会社代表取締役社長に就任。2010年、ネスレ日本株式会社代表取締役副社長飲料事業本部長として新しいネスカフェ・ビジネスモデルを提案・構築。利益率の低い日本の食品業界において、新しいビジネスモデルを追求しながら超高収益企業の土台をつくる。同年11月、ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEOに就任。
    現在、経済同友会幹事。日本インスタントコーヒー協会会長。
    著書に『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)、共著書に『逆算力』(日経BP社)がある。

     


    ゲームのルールを変えろ

    ネスレ日本100年の歴史において、史上初の生え抜き日本人CEOに就任。「インターナショナルスタッフ」が役員就任の条件とされるなか、それは異例の人事だった。「キットカット」受験生応援キャンペーンや「ネスカフェアンバサダー」など、常識を覆す革新的な取り組みを実践してきた高岡浩三氏。『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)の刊行を記念して、著書では語り尽くせなかったマーケティングの真髄が明かされる。

    「ゲームのルールを変えろ」

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