ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
データ分析ってこうやるんだ!実況講義
【第1回】 2013年9月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
吉本佳生

ネット調査はビジネスの参考にならない?!
ビッグデータ&統計学ブームの落とし穴

1
nextpage

ビッグデータ時代の到来がさけばれ、データ読解・活用力がますます問われるようになりました。危機感を持つ文系ビジネスパーソンに対し「統計学などの専門知識がなくても、基本的なデータ読解力があれば、仕事にも十分応用できる!」と力強いエールを送るのは、数多くの著書で鮮やかなデータ解析力を披露するエコノミスト吉本佳生さんです。身近なデータを使いながら読解プロセスや読み誤りを防ぐコツをまとめた、吉本さんの新刊『データ分析ってこうやるんだ!実況講座』の10/3刊行を記念し、発売に先立って内容の一部を本オンライン連載にてご紹介します! 初回のテーマは、身の回りにあふれるインターネット調査の罠についてです。

 2013年の初めぐらいから本格的に話題になり始めた「ビッグデータ」と、そのビッグデータを分析するための「統計学」ブームに対して、データ(数字)の威力、そして統計学の威力が痛いほどわかっているからこそ、心配していたことがあります。私の危惧する落とし穴がよくわかる事例を2013年7月にみつけたので、ふたつほど紹介します。

 ひとつは、あるビジネス雑誌に掲載されたデータです。テレビについてのデータをたくさん掲載し、「会議で使えるビジネスデータ」という表題で有用性をアピールしていました。その雑誌の足を引っ張りたいわけではありませんから、実名は伏せますが、ざっと読んだうえで「これを会議に使ってはいけない。こんなデータをビジネスの参考にしたら、大失敗する危険性が高い!」と感じました。

 その理由がわかりやすいように、問題点だけを強調したのが図表1です。多くの人は、グラフをみるときに、中央の(データがグラフ化された)部分にまず目が行きがちですが、それだと問題点がわかりにくいので、グラフ部分はぼかしてあります。

 見て頂きたいのは左軸です。図中で指摘しているように、年齢別で分けたデータの最後が「60〜64歳」となっています。じつは「65歳以上の高齢者」を調査対象から除外したデータなのです。

正確には「日本全国の10~64歳の、パソコンからのインターネット利用者」を対象にした、大規模な調査に基づくデータ、ということです。こうした年齢制限や、ネット調査であることは、雑誌記事のなかでは説明されておらず、データにだまされやすい人は決して読むべきでない記事だといえます。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


吉本佳生

 

エコノミスト・著述家。1963年三重県紀北町(旧・紀伊長島町)生まれ。名古屋市立大学経済学部卒業、住友銀行勤務を経て、名古屋市立大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。広島市立大学国際学部専任講師、南山大学経済学部助教授(准教授)などを経て、2012年から関西大学会計専門職大学院特任教授。 著書に、『金融工学の悪魔』(日本評論社)、『金融広告を読め』(光文社新書)、『スタバではグランデを買え!』『金融商品にだまされるな!』『クルマは家電量販店で買え!』(以上、ダイヤモンド社)、『無料ビジネスの時代』(ちくま新書)、『数字のカラクリを見抜け!』『「世界金融危機」のカラクリ』(以上、PHPビジネス新書)、『確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり』(講談社ブルーバックス)、『日本経済の奇妙な常識』『日本の景気は賃金が決める』(以上、講談社現代新書)、『これから誰に売れば儲かるのか』(幻冬舎)などがある。主に2009年に放送されたNHKの経済学教育番組『出社が楽しい経済学』の監修・出演者。専門分野は、生活経済、国際金融、金融経済(ファイナンス)。

 


データ分析ってこうやるんだ!実況講義

ビッグデータ時代の到来がさけばれ、データ読解・活用力がますます問われ始めています。危機感を高めている文系ビジネスパーソンに対して「統計学がわからなくても大丈夫! 基礎的なデータ読解力があれば、仕事にも十分応用できる!」と力強いエールを送るのは、数多くの著書で鮮やかなデータ解析力を披露するエコノミスト吉本佳生さんです。本連載では、身近なデータを使いながら読解プロセスや読み誤りを防ぐコツをまとめた、吉本さんの新刊『データ分析ってこうやるんだ!実況講義』のエッセンスをご紹介していきます!

「データ分析ってこうやるんだ!実況講義」

⇒バックナンバー一覧