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インフルエンザワクチンの効用

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第176回】

 インフルエンザシーズン突入である。集団感染の報告もぽつぽつ出てきた。ただ一般にインフルエンザの流行は1月上旬~3月上旬が中心。ワクチン接種の効果が出るまでには2~3週間必要なので、12月中旬までに予防接種を受けるといい。効果は5カ月ほど持続する。

 今13/14年シーズンはA香港型とB型、09年に流行した「新型インフルエンザ(今は通常の季節性として扱われる)」の類似株A/H1N1型の流行が予想されている。特にA/H1N1型は近年、アジア圏での報告が相次いでいる。予防接種もそうだが、マスク、手洗い、うがいを怠りなく。

 「注射嫌い」にはインフルエンザの予防接種は苦痛だろう。しかし、一石二鳥で「心疾患リスク」も軽くしてくれる、となれば我慢する気になりませんか? 先日、米国医学会誌「JAMA」に掲載されたメタ分析から。

 この研究は、ワクチンの効果を検証した六つの試験の被験者について、インフルエンザの予防接種と心血管系イベント(心臓発作や心臓疾患死)との関連を再解析したもの。被験者の平均年齢は67歳で、そのうち約3割に心疾患の既往歴があった。

 解析の結果、予防接種を受けた3238人のうち、1年以内に心血管系疾患を発症したのは95人(2.9%)、一方、非接種者3231人のうち、心疾患を発症した人は151人(4.7%)だった。つまり、インフルエンザの予防接種で発症リスクを36%減らしたことになる。特に、心臓発作を経験して間もない患者で「予防効果」が高かった。接種群で心疾患の発症が10.25%だったのに対し、非接種群では23.1%と発症が半減したのである。今年、心臓発作を経験した方は再発を防ぐためにも、医師と相談して予防接種を受けたほうがよさそうだ。

 インフルエンザに限らず、重度の呼吸器感染症は心疾患リスクになることが知られている。感染に伴う全身の衰弱や炎症、不整脈が影響すると推測されるがメカニズムは未だに不明。そこが明確になれば“注射一本で心臓を守る”なんてことがかなうかもしれない。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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