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「ゼロ秒思考」のつくり方
【後篇】 2013年12月25日
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赤羽雄二

【後篇】
ゼロ秒思考はメモ書きで身につける

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マッキンゼーで14年間活躍し、現在「日本発の世界的ベンチャー」を生み出そうと活躍をしている赤羽雄二氏は、「誰でも、確実に頭が良くなる方法がある」という。しかも、ペンとA4の裏紙を使うだけの、お金もほとんどかからない方法だ。そのポイントを、赤羽氏が思考の質とスピードの到達点と考える 「ゼロ秒思考」とあわせて解説してもらう。

ゼロ秒思考と情報収集

 「ゼロ秒思考」といっても、情報が不足していればもちろん最小限の調査・情報収集が必要となる。そうでなければ考えるベース、枠組みがなく、当てずっぽうになる。問題や解決策に関してある程度の背景知識がなければ、自己流すぎる判断となり、場合によって大きく見誤ることになる。

 普段からアンテナを立てておくこと、感度を高く持っていろいろなことに関心を持っておくことが大切だが、それでも足りない場合は、さらに調べたり、詳しい人に聞いたりすることになる。

 慣れてくると、二つの点である程度の勘が働くようになる。
 一つは、適切な判断をするために必要な情報を自分が持っているかどうかに関してだ。右に行くべきか左に行くべきか、A案なのかB案なのかC案なのかの判断をするために必要な情報は何か、その情報を自分は持っているのか、その情報がどうであればどういう判断をすべきかが見えるようになってくる。必要な情報、知識が5種類あるとして、それらの間に相互連携があるのか、あるとすると、どういう相互連携ならOKでどういう相互連携ならOKではないか、ということも見えるようになってくる。

 二つめには、情報が足りない場合、どこからどうやって鍵となる情報を取ったらよいかに関しての勘である。問題意識を高く持つようにすると、今自分が何を知っているか、何を知らないのか、知らないことは必要に応じ、どこから取ればいいのか、誰に聞けばいいのか、今は情報収集しないとしても、必要に応じ、どう深掘りをすればいいか、だいたいの目星がつくようになる。

 問題は、大半の人が調べすぎてしまうことにある。インターネットで検索したり、業界イベントに行ったり、本を読んだり、ああでもないこうでもないと結論のない議論をしたり、そのうえでまたネット上のディスカッショングループを過去ログまでくまなく読んだり、何週間も延々と調べる。それ自体はもちろんよいことだが、時間がかかるばかりで判断・決断を延ばしがちだ。

 先延ばしにすることで方針決定の精度が上がるならいいが、ほとんどの場合、上がらない。「こういう問題だから今すぐこうすべきかな」という仮説を立て、それを情報収集の結果で検証し、さらに仮説の精度を上げるようなことはあまりされないからだ。むしろ、情報収集にかまけるあまり判断が遅れて傷口が広がり、効果的な対策が打てなくなることのほうが多い。

 こういうことを言うと、「素早く意思決定をするうえで、どの程度情報収集をすればいいかわかりません。いつも迷ってしまいます。ちゃんと調べたのかと常に上司には突っ込まれますし。いったいどれだけ集めればいいのでしょうか。調べれば調べるほど不安になってしまいます」という質問が返ってくることがままある。

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赤羽雄二(あかば・ゆうじ) 

東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。1986年、マッキンゼーに入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を支えた。2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。最近は、大企業の経営改革、経営人材育成、新事業創出、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでいる。著書に『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング』(宝島社)などがある。

 


「ゼロ秒思考」のつくり方

マッキンゼーで14年間活躍した著者が練り上げた独自メソッドは「メモ書き」という驚くほどシンプルなもの。 A4の用紙に、決められたフォーマットでメモ書きを繰り返し、思考を言語化していけば、誰でも「ゼロ秒思考」に近づくことができるといいます。 本連載ではその概要を紹介してもらいます。

「「ゼロ秒思考」のつくり方」

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