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カジノ解禁で考える
「依存症ビジネス」との正しい付き合い方

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第311回】 2014年1月8日
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止められない、止まらない……
依存症「的」ビジネスの裾野は広い

 商品名はあえて挙げないが、かつての印象的なCMソングに、「♪止められない、止まらない、+(メーカー名、商品名)!」という、長く耳に残る傑作があった。

 消費を止められなくなったり、止まらなくなったりして、消費者が困ることは多々あるが、これは売り手にとっては好都合な現象だ。世の中には、消費者の習慣、特に依存症的傾向を利用したビジネスがたくさんある。

 酒類すべてにはアルコール依存症が関係し得る。また、パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、競艇などのギャンブルには、ギャンブル依存症のリスクが伴う。特にアクセスが簡単なパチンコを含めると、人口に占める日本のギャンブル依存症患者の比率は、先進国の中で突出して大きいとする研究もある。

 依存症の境界線をどこに引くかは問題だが、ギャンブル的なサービス・商品をはじめとして、消費者が自分では止めにくい習慣を利用して儲けるビジネスは、これら以外にもある。

 携帯電話やスマートフォンでもプレイできて、はまると「アイテム」を買うのにお金がかかるようなオンラインゲームにも、原理的には「依存症ビジネス」だと言える側面がある。

 小学生、中学生でも、一月に10万円、20万円といったお金をつぎ込む例があるようだ。もちろん、対象が子どもの場合は、たいていは親が経済的な尻ぬぐいをすることになる。

 実は、筆者はネット証券に勤めているのだが、主にネットを使った株式売買やFX(外国為替証拠金取引)にあっても、依存症的に「止められない、止まらない」的な顧客がいて、問題が起こるケースもあることを認めるのがフェアだろう。あえて言うが、我が業界は依存症の問題にもっと正面から取り組むべきだ。

 さらに範囲を拡げると、高級な家電製品、住宅のリフォーム、羽毛布団、英会話教材、果ては霊感の壺に至る商品に対して、勧められると購入を断れない「ショッピング依存症」的な消費者が一定割合存在し、これらの商品の購入履歴がある人の名簿は、これらの商品のセールス業者の間で売り買いの対象になっている。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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