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石川和男の霞が関政策総研

再生可能エネルギー賦課金を巡り
流布される奇妙な誤解
本来のFIT改革は高過ぎる買取価格の引き下げ

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第11回】 2014年1月14日
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経産省は再生エネ賦課金を
「ボッタクリ」しているのか?

 2013年11月25日、自民党・無駄撲滅プロジェクトチーム(PT)の公開ヒアリングで、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)において消費者が負担する『再生エネ賦課金』の在り方が俎上に載った。

 きっかけは、同プロジェクトチームのメンバーの一人である河野太郎衆議院議員が、同11月6日に自身のブログで掲載した「経産省によるボッタクリ」と題する記事であると思われる。

 太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生エネは、発電コストが高いため普及しにくい。そこで、こうした再生エネで発電された電気を、国が定める割高な価格で電力会社が一定期間買い取ることを義務付けている。この制度がFITで、12年7月に始まった。

 電力会社が買い取りに要した費用は、消費者が使った電気の量に比例し再生エネ賦課金によって賄われる。即ち、電気料金の一部として我々一般の消費者が負担しているわけだ。資源エネルギー庁の試算では、標準家庭における再生賦課金は12年度で約66円/月、13年度で約105円/月となっている。これは、電気料金として毎月、我々一般消費者が支払うものだ。

 この再生エネ賦課金は、「①電力会社が買い取る再生エネ電気の年間の買取総額の見込額」から、「②電力会社が再生エネ電気を買い取ることによって負担せずに済んだ年間の発電コスト相当額(回避可能費用)の見込額」を控除し、「③費用負担調整機関の事務費の見込額」を加えたものを、「④年間の販売電力の見込量」で割ることで設定される。見込値と実績値の差分は、翌々年度の再生エネ賦課金単価で調整される。

 これを式として書くと、次のような式になる。

再生エネ賦課金単価(円/kWh)=〔(①買取総額見込額ー②回避可能費用見込額)+③費用負担調整機関の事務費見込額〕÷④販売電力見込量・・・(☆)

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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