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日本と世界の重要論点2014

【論点11】原発と東電
電力業界の“ヤバい”状況のツケは国民に回る
元凶の原発と東電問題解決へ乗り越えるべき課題
――安念潤司・中央大学法科大学院教授、弁護士

安念潤司[中央大学法科大学院教授、弁護士]
【第11回】 2014年1月22日
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問題を放置し続けていれば
大停電で大混乱の可能性

あんねん・じゅんじ
1979年3月、東京大学法学部卒業、北海道大学法学部助教授、成蹊大学法学部教授を経て、2007年から中央大学法科大学院教授。経済産業省「電気料金審査専門委員会」委員長を務めた。

 「そろそろ本腰を入れないとヤバいな――」

 これが、政治家や官僚、電力政策の策定・実行に当たる人々の偽らざる本音であろう。

 実際、関係者の尻には火がつきかけているようだ。2020年までに自由化を完成させるという電力システム改革の話ではない。ここでいう“ヤバい”問題というのは、2020年という雲煙の彼方にあるものを指しているのではなく、たった今、足許に存在するものである。それも、巨大で解決困難な問題群である。

 西園寺公望は、「眼前の課題を捌いていくことが政治の妙諦だ」と説いたそうだが、今日の電力業界には、この言葉が忌々しいほどよく当てはまる。改めていうまでもないが、問題群とは、第一に電力各社の経営・財務の改善であり、第二に東京電力の再生である。

 電力会社の経営が傾こうが、ついには倒産しようが、われわれユーザーの知ったことではない。困るのは、「巨大で解決困難な問題群」がそのまま放置されていると、大規模停電というかたちで最終的なツケをわれわれユーザーが払わなければならないということにある。

 電力会社の資金がショートして設備の保守が行き届かなくなったり、現場従業員の士気が低下して誤操作が重なったりすれば、いつどこで大停電が起こっても不思議ではない。

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国内では4月に消費税増税を控えて景気の腰折れが懸念され、国際的には中国・韓国との関係が膠着状態に陥ったまま迎えた日本の2014年。重要論点ごとに、その課題と展望を探る。

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