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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

2014年のアベノミクス
~現実的な主役は「第2の矢」~
――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],高田創,熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第8回】 2014年1月22日
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2年目のアベノミクス:
主役は「第1の矢」から「第2の矢」へ

 2014年が始まり、アベノミクスも2年目を迎える。今年のアベノミクスの役割分担としては、主役が「3本目の第2の矢」(2012年度、2013年度に次ぐ2014年度補正予算)、脇役が「2本目の第1の矢」(追加金融緩和、ただし確率は6~7割程度)となるのではないか。

 「第3の矢」は6月をめどに「新成長戦略」が策定される方向にあるが、大きな役回りを演じることにはならないであろう。

成長戦略実行国会:
放たれたのは「第2.5の矢」

 このように書くと反論もありそうだ。たとえば、安倍首相は第185回臨時国会(昨年10月15日~12月8日)を「成長戦略実行国会」と名づけ、重要法案を成立させたではないかという反論だ。

 確かに同国会では「第3の矢」に関わる重要な法律がいくつか成立した(図表1参照)。中でも「国家戦略特区法」「産業競争力強化法」などは第3の矢の両輪とも言える。しかも、これらはいずれも政府提出法案であり、確かに安倍内閣の政策(すなわち「第3の矢」)である。

 一方、政府ではなく与党が主導した「議員立法」にも注目したい。代表例が「国土強靭化基本法」「南海トラフ地震対策特別措置法」「首都直下地震対策特別措置法」である。

 地震や社会インフラの老朽化への対策は確かに重要であり、国民生活の安全を高めるという意味では「第3の矢」とも解釈できる。ただし、「国土強靭化基本法」は実態としては「長期の第2の矢」(公共投資)に近いと言えないだろうか。この意味で、今回の「成長戦略実行国会」が放ったのは「第3の矢」というよりも「第2.5の矢」に近い。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

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