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山崎元のマネー経済の歩き方

米金融業界のボーナス問題の奥深さ

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第76回】 2009年4月14日
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 破綻の危機を米政府の公的資金投入でかろうじて救われているAIGの、幹部社員向けボーナス支給が大きな問題になっている。AIGの金融子会社のボーナスのようだが、400人に2億2000万ドル(約216億円)が支払われたという。一人当たり平均5000万円以上、最高額を受け取る社員は6億円を超える。

 ここのところ、AIGに対してはバーナンキFRB議長が、露骨に怒りを表している。また、オバマ大統領は、ボーナス支払いを阻止できないか検討するように指示したと伝えられている。

 AIG以外に、バンク・オブ・アメリカに買収されたメリルリンチでも幹部社員へのボーナス支払いが問題になった。いずれも、社会的に批判の対象だ。

 ただ、受け取る側の個人の気持ちを推察すると(筆者は外資系の証券会社に勤めたことがある)、ボーナスは当然の権利だと思っているだろう。

 たとえば、稼いだ利益の1割をボーナスでもらうような暗黙の契約がある会社の場合、100億円稼いだ社員がいて、他方で会社が1000億円損をしていれば、この社員は10億円のボーナスを受け取って当然だと思うはずだ。会社の側も、満額払うかどうかはそのときの状況によるが、有能な人材を確保し、社員のモチベーションを維持するために、多額のボーナスを支払う方向で考えるのが普通だろう。会社が大損しているのにこれはおかしいと思うのが、米国でも日本でも「世間の常識」だが、「ウォール街の(金融業界の)常識」は異なる。この常識のズレは、今回の金融危機を生んだ大きな原因の1つでもある。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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