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コスモ提携加速でも燻る
東燃ゼネラルとの“縁談復活”

週刊ダイヤモンド編集部
2014年2月5日
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 コスモ石油が提携戦略を加速させている。昨年末には昭和シェル石油、東燃ゼネラル石油、住友商事と2014年末に液化石油ガス事業を統合すると発表。1月21日にはスペイン石油大手CEPSAと原油・天然ガス開発で業務提携することに基本合意した。

CEPSAのロイグCEOと握手する森川社長。筆頭株主のIPICからはCEPSAのみならず、さまざまな企業との提携の打診があるという

 CEPSAは北アフリカや南米で、コスモは中東で油田開発・生産を行っており、今後は共同で新鉱区獲得を目指す。コスモは、CEPSAの技術を共有することで、これまで手がけてこなかったガス事業に参入するのが狙いだ。

 コスモが、これまであまり積極的でなかった提携を急ぐのには理由がある。

 コスモの筆頭株主で20.7%を出資するアブダビ政府系投資ファンド(IPIC)によるプレッシャーだ。コスモは東日本大震災で千葉製油所が被災し、その影響で業績が悪化、財務も激しく傷んでいる。IPICはコスモに出資した6年前から株価が6割も下落、500億円近い損失が出るなど、いら立ちを強めているのだ。

 実はCEPSAはIPICの100%子会社であり、今回の提携は再建の援護射撃だったとも取れる。石油開発事業は営業利益の8~9割を稼ぎ出す虎の子だけに、てこ入れによる効果も期待できる。

精製事業の再建が鍵

 もっとも、この提携に即効性があるかというと大きな疑問符がつく。開発事業はリスクを伴うだけでなく、長い歳月が必要だからだ。

 むしろコスモ再建で注目されるのは、本丸ともいえる精製事業をどうするかである。ガソリン・軽油・灯油の国内需要は年率3%近く減少していく中で、石油業界では設備過剰が構造問題として横たわっている。生産能力の削減を促すエネルギー高度化法への対応期限が3月末に迫り、元売り各社が条件をクリアする中、コスモはいまだ対応を終えていない。

 残された時間が少なくなる中で、再びくすぶり始めたのが、東燃との“縁談復活”だ。

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