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中国と「ガチンコ対決」でいいのか?
アフリカでの日本企業の闘い方を考える

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第144回】 2014年2月12日
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 出張で渡航していたタイのバンコクで、日本の大学教授A氏が反政府デモに遭遇した。そのときの日本人の行動を見てこう思ったという。

 「激化する反政府デモに自宅待機となった。安全第一であればこそ自宅待機という判断は正しい。だが、すべてが“右向け右”である必要はあるだろうか。それぞれにリスクを回避するノウハウがあれば、同じ行動をとらなくてもいいのではないだろうか」

 日本企業にとって、リスク管理は最優先の課題であることは言うまでもない。万が一の事態に巻き込まれれば、家族からはもちろん、マスコミや世間からも、そのリスク管理の在り方を糾弾される。人命は何よりも優先されるという常識を考えれば、海外での活動は日頃から慎重になるのは当然だろう。

 しかし、日本企業や日本人の石橋を叩いて渡るほどの慎重さは、途上国を主戦場とするようになった近年のビジネスのグローバル化において、チャンスを逸し、市場開拓の失速をもたらしてきたという事実も否めない。

 その間隙を縫って、市場と権益をさらうのが「リスクをリスクと思わない中国企業」である。世界各国、日本企業の進出する先々で、中国の存在は無視できない。今回は、そんな中国との競争の在り方は“ガチンコ対決”でいいのか、について考えてみた。そもそも日本企業は、中国企業と同じ土俵で正面から勝負することができるのだろうか。

アフリカは危険な土地なのか?
日本企業の最大の関心事は“治安”

 筆者はアフリカビジネスに特化した日本で唯一のコンサルティング会社、アフリカビジネスパートナーズの本社をを尋ねた。チーフコンサルタントの梅本優香里さんは4年にわたってアフリカと日本を行き来している。その日も梅本さんのスケジュールは、日本企業との打ち合わせで夕方までびっしりだった。

 背景には第5回アフリカ開発会議(TICAD V)がある。2013年6月、横浜で開催されたTICAD Vで安倍総理は、民間資金も導入しての官民合計3兆2000億円の資金協力と、官民挙げての長期的なアフリカ支援を打ち出したのだ。このTICAD Vで、アフリカ開発は従来の「援助」から「投資」へと転換、これが潮目となり、日本企業のアフリカへの関心が高まった。「アフリカに関しては全然わからない」としながらも、現地ビジネスに目を向ける日本企業が梅本さんのもとにも集まる。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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