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「引きこもり」するオトナたち

「大人の発達障害」でも服用を認められた
待望の薬への期待と問題点

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第186回】

 最近、注目されているのが「発達障害」の1つである「大人のADHD」という診断名だ。

 ADHDとは、注意欠陥多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)の略称。主な症状としては、「細かいことに注意がいかず、仕事や家事がずさんになる」「会議や会話、長い文章に読むことに集中し続けることが難しい」といった不注意や、「途中で相手の話を遮って話し始めてしまう」「話すことに夢中で聞くことを忘れてしまう」といった衝動性、「落ち着きがなく、じっくりしているのが苦手」「しゃべり過ぎる」といった多動性が挙げられている。

 この同じADHDの症状の中にも、不注意だけの人もいれば、衝動性・多動性だけが目立つ人もいる。また、3つの症状が混合する人もいるという。

 大人のADHDに詳しい日本医科大学の齊藤卓弥准教授(精神医学)は、「引きこもり状態の方の中にも、ADHDの症状は多くみられる」と指摘する。

 これまでは、子どもの疾患であり、大人になると、自然に良くなると思われていた。ところが、むしろ大人になって、対人関係や職場、環境コントロールの問題などで、様々な困難が深刻化してくるのが現実だという。

 「例えば、周囲から不注意で怒られてばかりいると、自分に対する自信がもてなくなる。忘れ物が多いなどと言われ続けていると、対人関係がきちんと作れなくなる。低い自己価値が根付いて、ささいなことを言われてすぐカーッとなったり、家族をつくるのにも困難を抱えたり、職場の中で仲間を信頼することができなくなったりする」(齊藤准教授)

 2007年のWHOの調査によれば、大人のADHDの世界的有病率は、平均3.4%。ちなみに、2年前、齊藤准教授ら研究チームが行った日本の大人のADHDの有病率は、「少なく見積もっても1.65%」としていて、世界的平均からみても「水面下には、日本にも300万人くらい埋もれているだろう」と推計する。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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