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安東泰志の真・金融立国論

またも中途半端に終わった
会社法改正の抵抗勢力は誰だ

安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]
【第42回】 2014年2月17日
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国会で「会社法の一部を改正する法律案」が審議されている。結論から言えば、その中身は相変わらず中途半端なものになっている。なぜそうなったかと言えば、日本では、経団連を中心とした旧体制がコーポレートガバナンス、特に取締役会の改革に対する最大の抵抗勢力だからである。今回は、コーポレートガバナンスに関係する部分だけに絞って論点を整理してみたい。

 現在、国会では「会社法の一部を改正する法律案」が審議されている。会社法の改正については、連載第18回でも取り上げたところだが、今回は、コーポレートガバナンスに関係する部分だけに絞って論点を整理してみたい。

 結論から言えば、その中身は相変わらず中途半端なものになっている。その背景として、日本では、経団連を中心とした旧体制がコーポレートガバナンス、特に取締役会の改革に対する最大の抵抗勢力だということがある。彼らが、なぜそのような抵抗を試みるのか、そして、海外投資家が大きな比率を占めつつある東京市場で、それがいかに的外れなものかを理解しておくことは、なぜ日本が真の金融立国になれないのか、そして今後どうすべきかを考える時に避けては通れないポイントである。

社外取締役の強制は見送り

 今回の改正法案でも、上場企業に対する社外取締役選任義務は課されなかった。そのかわりに、「事業年度の末日において、監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る)であって、その発行する株式について有価証券報告書の提出義務を負う株式会社が社外取締役を置いていない場合、取締役は、当該事業年度に関する定時株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならない」とされた。

 昨年、会社法改正を議論した法制審議会では、激論の末、社外取締役の義務付けは見送り、その代わりに、「社外取締役を置くことが相当でない理由を事業報告書に記載する」との結論になっていた。この過程で、社外取締役設置の強制に反対の論陣を張ったのは、例によって経団連である。今回の改正法案では、法制審議会の結論を踏まえて社外取締役設置の強制は見送ったものの、事業報告書への記載より難度が高い「定時株主総会での説明」を求めた点、「半歩前進」と言えなくもないし、事実、一定の成果は出ている。

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安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]

東京大学経済学部卒業、シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。1981年に三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、1988年より、東京三菱銀行ロンドン支店にて、非日系企業ファイナンス担当ヘッド。90年代に英国ならびに欧州大陸の多数の私的整理・企業再生案件について、参加各行を代表するコーディネーターとして手がけ、英国中央銀行による「ロンドンアプローチ・ワーキンググループ」に邦銀唯一のメンバーとして招聘される。帰国後、企画部・投資銀行企画部等を経て、2002年フェニックス・キャピタル(現・ニューホライズンキャピタル)を創業し、代表取締役CEOに就任。創業以来、主として国内機関投資家の出資による8本の企業再生ファンド(総額約2500億円)を組成、市田・近商ストア・東急建設・世紀東急工業・三菱自動車工業・ゴールドパック・ティアック・ソキア・日立ハウステック・まぐまぐなど、約90社の再生と成長を手掛ける。事業再生実務家協会理事。著書に『V字回復を実現するハゲタカファンドの事業再生』(幻冬舎メディアコンサルティング 2014年)。
 


安東泰志の真・金融立国論

相次ぐ破綻企業への公的資金の投入、金融緩和や為替介入を巡る日銀・財務省の迷走、そして中身の薄い新金融立国論・・・。銀行や年金などに滞留するお金が“リスクマネー”として企業に行き渡らないという日本の問題の根幹から目をそむけた、現状維持路線はもはや破綻をきたしている。日本の成長のために必要な“真”の金融立国論を、第一線で活躍する投資ファンドの代表者が具体的な事例をもとに語る。

「安東泰志の真・金融立国論」

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