ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
SPORTS セカンド・オピニオン

なぜ日本はフィギュアスケートの強豪国になり得たのか

相沢光一 [スポーツライター]
【第289回】 2014年2月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 先週末もロシア・ソチから届いた朗報に日本が沸いた。14日のフィギュアスケート男子シングル・羽生結弦の金メダルとジャンプ男子ラージヒル・葛西紀明の銀メダル獲得である。

 ファンを感動させた度合いは、どちらも甲乙つけがたいが、予想を超えた驚きとともに見る者を興奮させたのは葛西の方だろう。オリンピックは史上最多の7回連続出場。41歳になる今も世界の第一線で活躍する葛西は、ともに戦う選手たちや欧州のファンからも尊敬され「レジェンド」と呼ばれている。今大会の日本選手団の主将を任されたことでもわかるとおり日本の冬季五輪の顔だ。とはいえメダルを獲ると思っていた人は少なかっただろう。筆者も当コラムの五輪展望記事でメダル獲得は厳しいと書いた。

 葛西は世界のトップジャンパーが競うワールドカップで17勝している。が、24年間で442戦を費やしてだ。2位、3位を含む表彰台に上ったのは48回で表彰台確率は10.9%。今季の葛西は好調で連戦上位に食い込んでいたが、五輪は各国の強豪にとっても特別な舞台であり、誰もが万全を期して戦いに臨む。10回に1回しか表彰台に上がらない選手のうえ41歳という年齢。五輪という厳しい勝負の場でメダルが獲れるとは思えなかった。己の不明を恥じるばかりである。

 これまで葛西は、年齢の限界を越え世界の頂点に近づくために想像を絶する努力や厳しい自己管理をしてきたはずだ。その不屈の精神には脱帽するしかない。

 ジャンプはまだ団体がある(本稿執筆時点の17日現在)。個人ラージヒルで日本勢は揃って好成績をあげた。2位の葛西の他、伊東大貴が9位、清水礼留飛が10位、竹内択が13位。団体戦は同じラージヒルで行われる。今度こそ葛西も3人の若い仲間とともに一番いい色のメダルを手にしてもらいたいものだ。

19歳羽生が日本男子初の快挙!
日本のフィギュア陣はかつてない充実期

 もちろん羽生の金メダル獲得も快挙だ。しかし、ポイント争いをしていたパトリック・チャンの演技が終わり、1位が確定した時の羽生は喜びを爆発させることはなく「悔しい」という言葉が出た。前半の2度のジャンプの失敗があり、パーフェクトな演技ができなかったからだろう。だが、疲れが出る後半のジャンプは完璧に決めたし、史上最高点をマークしたショートプログラムも含めて世界トップの演技を見せたことは確か。胸を張って誇れる金メダルである。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


SPORTS セカンド・オピニオン

サッカーから野球、大相撲や陸上に至るまで、あらゆるスポーツニュースを独自の視点で解説!スポーツニュースの「セカンド・オピニオン」を目指します。

「SPORTS セカンド・オピニオン」

⇒バックナンバー一覧