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節電するほど、電力会社からお金が入る
「オパワー」の奇想天外なビジネスモデル

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第283回】 2014年2月19日
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 「オパワー(opower)」という新興企業が、先頃IPO(新規株公開)申請を行った。

 同社の名前を知らない人々はたくさんいる。フェイスブックのようにIPO以前から有名になった企業ではないのだ。しかし、すでに多くの米国民がオパワーの恩恵を受けている。

 オパワーは、電力を利用する一般消費者に省エネを促進する情報を提供するサービスを行っている。

 たとえば、サンフランシスコ近郊に在住する筆者の場合、地元の電力供給会社であるPG&Eから毎月送られてくる請求書に、オパワーの技術によって分析された電気利用の記録が同封されてくる。

自宅の電気の使用パターンが
手に取るようにわかる

オパワーによる電力消費記録の例。節電の度合いが平均と比べてどうなのかの評価も確認できて励みになる

 利用記録には、毎日どの時間帯にどの程度の電力を利用したか、同じ地域の同じような面積を持つ家と比べて消費が多いのか少ないのか、といった内容がグラフ形式で表示されている。

 この記録を見ると、朝の時間帯にトースターやらヘアドライヤーやらを使っている時間は消費が多いとか、他の家に比べて電力を無駄遣いしているようだといったことがはっきりとわかる。

 要は、オパワーのサービスによって、自分の家の電力消費の実態を、これまでのような単なる料金としてではなく、具体的なパターンとして把握できるようになる。消費量が明確に把握できるようになると、ユーザーはより省エネに励むとさまざまな調査は伝えている。

 利用記録にはまた、毎月の節電ゴールを定めて、それにどの程度近づけたかといったことも示してくる。またどうすれば、もっと省エネができるのかといったアドバイスを、その家の利用パターンに合わせて教えてくれる。

 電力供給会社からの請求書だというのに、「どうすれば電力を使わないようにするか」を満載したお知らせが同封されてくるというわけだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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