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「モノのインターネット」が
じわじわ生活に浸透している

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第272回】 2013年11月27日
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 「モノのインターネット化」が、ジワジワと現実味を帯びてきた。

 モノのインターネット化とは、われわれが日常生活で使っている物理的なリアルなモノがネット接続され、それによってより優れた機能性を享受できるようになるというものだ。米国では、すでに先駆けとなるような製品が出回っている。

 もっともよく知られているのは、スマート・サーモスタットと呼ばれる「ネスト(NEST)」だ。このサーモスタットは、その家の住人の生活パターンの気配をセンサーで察知し、それを覚え、生活に合ったかたちで無駄のないように室内温度を調節するという優れものだ。

 これまでのアメリカのサーモスタットと言えば、その設定が非常に複雑だった。終日の設定、週末の設定などができるが、入力方法が限られていることもさることながら、何とも面倒くさい時間設定を行う必要があった。

使うほどに学習して
賢い室温設定をしてくれる

 ところが、このネストは一度大雑把な設定をした後は、ネスト自体が学習してくれる。しかも、この温度に設定すれば光熱費をグンと節約できますよ、という温度も示してくれるので、たとえば暖房時ならばやたらに温度を下げたりせずに、過ごしやすくかつ節約が可能というレベルがわかるのだ。

 ネストがネット接続されている強みは、次のような点だ。

 まず、出先から帰る前に部屋を暖めておきたいとか、冷やしておきたいといった場合に、スマートフォンを使って調整ができる。ネストは帰宅パターンも習得しているだろうが、いつもより早く帰るといった場合に便利だ。

 また、エネルギー消費をまとめて見られる利点もある。毎日の消費エネルギーがどのくらいだったか、暖房や冷房がオンになっていた時間はいつかといったことが記録され、それを見ながら、今後のエネルギー節約のためには何をすればいいかも分かるのだ。オンになっていたのは、外気の温度のせいか、自動外出設定の時間設定のせいかなど、いつもと消費エネルギーが異なる場合は、その理由もある程度わかるのは便利だ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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