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お気に入りアーティストが「証券化」でCDデビュー?! ファンが支える「音楽ファンド」とは?

未来創造活動を金融で支援(ミュージックセキュリティーズ株式会社)

見山謙一郎 [立教大学AIIC特任准教授/フィールド・デザイン・ネットワークス代表]
【第11回】 2009年4月15日
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 4月は、入学式や入園式、入社式等々、新たな門出の季節です。例年なら、明るい話題満載の季節なのでしょうが、経済状況が厳しい中にあっては、なかなかそうもいかないようです。書店に行っても「未曾有の金融危機」、「金融破綻」など衝撃的な文字が目に飛び込んできます。サブプライム問題以降、世の中ではすっかり、「金融」が“悪者”になってしまいました。

 でも、経済が疲弊している今だからこそ、経済システムが円滑に機能するよう潤滑油の役割を果たし、血液の巡りをよくすることで可能性の芽(細胞)を活性化させる、そんな「金融」本来の役割が求められているのではないでしょうか?もし、既存の金融システムが十分に機能しなくなっているのであれば、新たな仕組みを考えていくことが必要なのかも知れません。

アーティストを支援する
「音楽系金融ベンチャー企業」とは?

 そこで今回は、金融機能を生かした新しい事業を模索する、「音楽系金融ベンチャー企業」をご紹介したいと思います。「音楽系金融ベンチャー企業」とは、何とも不思議な響きですよね。でも、「音楽を生業とし、その事業目的を達成するために、資金を集める仕組み(金融機能)を自ら構築した企業」と言えば、少しはイメージしていただけるでしょうか?

 ミュージックセキュリティーズ株式会社は、2001年に設立されました(*1)。この会社では、ミュージシャンの創作活動を資金面で支援するため、ファンの人たちが小口で投資、支援できるような証券化業務を行なっています。「小口投資」「証券化」・・・何とも怪しい言葉が出て来ましたが、決して怪しいものではありません。

 その仕組みとは、まず、CDデビューをしたい、またはさせたいアーティストの発掘を行ないます。そこで、デビューのために必要な資金をポンと出してくれるような投資家や音楽プロダクションが見つかればよいのですが、現実はとても厳しいものです。

 そこで、音楽をweb上で実際に聴いてもらい、そのアーティスト、楽曲をデビューさせたい、応援したい、と思う人たちがいれば、1口5000円から出資をしてもらう(インターネット上で決済が可能)、そんな仕組みをつくったのです。

2004年のデビュー以来、8本の音楽ファンドを活用する「AK-69」。テレビ出演などメジャーシーンで活躍するようになった今でも、インディペンデントであるためにファンからの資金を元にした音楽ファンドを活用している。  (C)ミュージックセキュリティーズ
◎「音楽ファンド」のスキーム  (C)ミュージックセキュリティーズ
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見山謙一郎 [立教大学AIIC特任准教授/フィールド・デザイン・ネットワークス代表]

1967年生まれ、埼玉県出身。90年立教大学法学部を卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。05年立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了(MBA)。同年10月に三井住友銀行を退職し、Mr.Childrenの桜井和寿等が設立したNPOバンク(ap bank)に理事として参画。09年2月に株式会社フィールド・デザイン・ネットワークスを設立し、代表取締役に就任。企業や金融機関に対する戦略・企画コンサルティングを行う。専門は、循環型(環境)ビジネス、ソーシャルビジネス、BOPビジネス及びファイナンス。立教大学AIIC「立教グラミン・クリエイティブラボ」副所長。多摩大学経営情報学部非常勤講師。
☆ご意見・お問合わせはこちら  ☆Twitterアカウント:ken_miyama


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