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マインドマップ・リーダーシップ
【第6回】 2014年2月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
トニー・ブザン,近田美季子 [株式会社ティズム代表取締役兼コンサルタント]

成功への道、TEFCAS思考法とは?[後篇]
脳の成功メカニズムを支援する画期的なツール

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TEFCAS思考法の前篇では、最後のS(成功)のイメージを具体的に描き出すことから始める重要性を述べた。この後篇では、F(Feedback:フィードバック)、C(Check:チェック)、A(Adjust:調整)の各ステップについて説明しよう。

フィードバックを与える時の注意(Feedback)

 出来事を評価するために、自分がどの程度うまくできたかについての情報、つまりフィードバックが必要だ。

 ある意味で、フィードバックがTEFCASの中で最も難しいステップである。フィードバックには悪いと認識されるものもあるからだ。誰しも、マイナスのフィードバックと思われるものは避けたいという自然な欲求がある。悪いニュースの伝え手を罰したい衝動は極めて一般的であり、大企業の役員室の多くでは特にそうである。

 しかし広い意味では、それが誠実で、成功について合意した定義から外れたイベント(出来事)を正確に指摘しているなら、悪いフィードバックなど存在しない。われわれに貴重な情報を提供してくれるので、すべてのフィードバックは良いものなのだ。

 良いフィードバックは積極的に求めて、奨励する必要がある。しかし、マネジャーとチーム・リーダーが成功するために聞く必要のあることではなく、自分たちの聞きたいことだけしか言わないようなゴマすり人間で周りを固めることが多すぎる。うまく行かなかったことについては誰も言いたがらないし、報告も期待されていない。それで、彼らは問題があってもごまかして言葉を濁し、取り繕おうとするのだ。

 フィードバックを求める経営幹部に誠意がないと、プロジェクトがうまく行っていないと告げた人を不当に批判したりする。悪いニュースを伝えるメッセンジャーを非難することは、本当に最悪の状態になるまで悪いニュースが上司に届かないことを確実にするだけだ。そして、その時にはもう遅すぎる。それよりも、マネジャーはメッセンジャーに見返りを与えるべきである。彼は成功への生命線を提供したのだから。

 フィードバックは一方向だけのプロセスではない。フィードバックを与えると同時に受ける用意がなければならない。フィードバックを与える時にも受け取る時にも同じルールがあてはまる。率直、具体的、そして目標に関連していることだ。

 フィードバックを受け取る人の目標に結びついたフィードバックを与えると、個人的で感情的な対立を回避できる。性格や人格の問題ではなく、取るべき行動や必要な調整が課題となるからだ。相手に対して「あなたは悪い人間だ」とは決して言っておらず、目標を達成するためには特定のものごとを他の方法で行う必要がある(Try-all、すなわち試行を調整する必要がある)と言っているだけである。

 フィードバックがないと、辿っている道が目標に続く道であると想定することしかできない。この場合、われわれは脳に生じた空白を推測と仮説で埋めるしかなくなる。真実を求めるフィードバックは成功するための生命線である。貴重なフィードバックは目標達成のために選んだ行動の効果測定を提供する。また、それは成功を収めるのに必要な今後の調整と、T(試行)に向けて計画するためのデータを提供する。

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トニー・ブザン 

マインドマップの発明者であり、脳と学習の世界的権威。BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)、BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)、マイクロソフト、ウォルト・ディズニー、ボーイングなどの国際的大企業でアドバイザーを務め、世界各国の政府機関・教育機関で講演を行っている。2008年にはアメリカ創造性協会から生涯にわたる創造性開発への貢献を称える賞を授与された。著書は100冊以上、33の言語に翻訳され、150ヵ国以上で出版されている。主な著書に『ザ・マインドマップ』『仕事に役立つマインドマップ』『勉強が楽しくなるノート術』(いずれもダイヤモンド社)など。

近田美季子(ちかだ・みきこ) [株式会社ティズム代表取締役兼コンサルタント]

株式会社ティズム代表取締役兼コンサルタント。ThinkBuzanマスター・トレーナーとして各種講座(マインドマップ、読書術、記憶術など)に登壇するほか、インストラクターの養成にも携わる。『新版 ザ・マインドマップ』『ザ・マインドマップ[ビジネス編]』(ダイヤモンド社)、『マインドマップ超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はじめ多数のトニー・ブザン公認書籍の翻訳・監修も手掛けている。コーネル大学大学院経営学修士(MBA)。 
URL http://www.chikadamikiko.com


マインドマップ・リーダーシップ

脳の潜在能力を目覚めさせる画期的なツール、マインドマップ。その発明者であるトニー・ブザン氏は世界中で開かれる講座で教え、日本もたびたび訪れている。2013年11月の来日時に、マインドマップによるリーダーシップについて語っていただいた。

「マインドマップ・リーダーシップ」

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