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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

私大文系の知識偏重と数学なしが問題
入試改革“言いっぱなし放談”を斬る!

鈴木寛 [東京大学・慶応義塾大学教授]
【第2回】 2014年2月27日
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 国公立大学の二次試験が25、26日に行われました。今年は東京でも45年ぶりに積雪が25センチを超える大雪となり、私立大学を受験された方は本当に大変だったと思います。

 早稲田大学などは、速やかに受験生のために再試験を決定され、さすがの対応でした。安堵された受験生も大勢いらっしゃったことでしょう。

 こうしたことがあると、冬の入試を再考しようということになるのですが、だからこそ、せっかく東京大学の濱田純一総長が九月入学を提唱された時に、みんながもっと自分事として考え、議論を盛り上げておくべきだったのです。今からでも遅くはありません。「喉元すぎて熱さ忘れる」前に、関係者はいろいろな考えを発信しておくべきです。

 さて、今、教育再生実行会議の提言を契機に入試改革議論が花盛りですが、思いこみ、思いつきの“言いっぱなし放談”になっています。大学入試から考える日本の教育の問題点について、エビデンスに基づき考えていきましょう。

中学高校時代にすべきは
書を読み、友や師と語らうこと

 大学入試が、若者の「知」に与える影響が甚大であることは言うまでもありません。日本人の英語力の基礎は大学受験に向けた勉強で大体固められます。反面、詰め込み主義、知識偏重といった問題点が多かったのも事実。英語にしても、クイズ的知識偏重になっているが故に、実践的なコミュニケーション能力が身に着かないと批判されてきました。(実は、これも今やリスニングがセンター試験や東大二次試験などで入り、一部ではかなり改善はされているのですが)

 このところ、入試制度改革が活発に議論され、国会でも再三取り上げられました。何を隠そう私も一連の議論の火付け役です。

 入試制度改革の今後を占う上で指標となるのが、政府の教育再生実行会議が昨年10月に出した「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」という提言書、俗にいう「第四次提言」です。

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鈴木 寛 [東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官を務めた。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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