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エコカー大戦争!

マツダとフォードの離婚はあるのか?
誰も書かない中国合弁解消報道の真偽

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第26回】 2010年1月25日
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 「マツダ、中国で2012年までに米フォード社との乗用車合弁生産を解消」――。1月17日、日本経済新聞の報道に、世界の自動車産業界が揺れた。

中国の長安フォードマツダ・南京工場(2008年2月筆者撮影)。マツダデミオが組み立てラインの最終品質チェックを終えて出てくるところ

 同報道では、中国現地企業の長安フォードマツダ汽車の重慶工場と南京工場が分社化され、南京工場をマツダと長安汽車で折半出資(現状は、長安汽車50%、フォード35%、マツダ15%)に切り替える見通しになるとした。

 筆者はこの報道を受け、膝を打った。それは、先週取材した米デトロイトショーのメイン会場レイアウトのことだ。

 マツダへのフォード資本注入後、世界主要国で開催されるモーターショーでは、マツダの展示ブースはフォードグループ内にあるのが当たり前だった。フォード社内のブランドであるリンカーン・マーキュリーとほぼ同格のイメージの展示スペースが割り当てられてきた。

 だが、今年のデトロイトではその法則が破られていた。なんと、会場正面入り口側のフォードグループと反対側、トヨタ(米国専用ブランド・サイオン含む)・レクサスを目の前にした位置へと転居していた。フォードグループ内展示に、中国企業への売却事務手続き中のボルボは残っている。インド・タタグループに買い取られたジャガー/レンジローバーは、フォードグループ時代の大規模展示はなく、英ベントレーブースの裏手に中古車展示会場のように全モデルを斜めに並べた「カーペットじか置き」の憂き目にあっていた。

 こうした会場内でのマツダの立ち位置の変更に、筆者は日本の報道関係者たちと「あれ? まさかフォード、マツダ株を全部吐き出す気か?」、「ハイブリッド技術提携にからんでマツダ、トヨタから資本を受け入れる気か?」などと、勝手な推測を立てていた。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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