ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
今週のキーワード 真壁昭夫

無敵のビジネスモデルに組織改革は必要か?
減益予想のユニクロに吹き付ける「逆風の正体」

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第323回】 2014年4月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

通期の業績予想を下方修正
快進撃のユニクロに何が起こったか?

 4月中旬、ユニクロを運営するファーストリテイリングが発表した2014年8月期の決算予想では、連結営業利益が当初見込みの1560億円から1455億円へ、当期純利益が920億円から880億円へと下方修正された。純利益はこれまでの増益予想から、一転して3年ぶりの減益予想となった。

 この上期だけに限って見ると、売上高は対前年同期比24%を超える伸びとなったものの、販管費が同32%増加したこともあり、経常利益は同▲0.2%となっている。こうした減益トレンドが通期業績にも影響を与えると見られているようだ。

 今回の業績下方修正の背景には、国内市場での売り上げの伸び率が縮小しつつあることに加え、人件費の増加などによって販管費が嵩んだことがあると考えられる。

 こうした業績推移を見ると、つい最近まで快進撃を続けてきたファーストリテイリングの事業にも、少しずつ逆風が吹き始めていることがわかる。

 そうした状況を反映し、同社の柳井正・会長兼社長は「世界ナンバーワンを目指して、今後も積極的な店舗展開を行う」としている一方、新しいビジネスモデルを模索することも示唆している。

 同社が世界ナンバーワンになるためには、「ZARA」ブランドを擁するスペインのインディテックスや、スウェーデンのへネス・マウリッツ(H&M)、さらには米国のGAPなどの有力企業を抜かなければならない。それは口で言うほど容易なことではないだろう。

 特に、人口減少局面入りしたわが国を経営の基盤とする同社が、すでに世界市場での販売網を整備し、ブランドも定着させているライバルを凌駕するには、さらに新しい仕組み(ビジネスモデル)が必要になるだろう。

 創業経営者である柳井氏が、同社の成長に必要なシステムをつくり、それを推進する人材にエネルギーを与え続けることができるか否か、同社としても正念場を迎えつつあると言える。

 ファーストリテイリングの前身は、1949年に現社長の柳井氏の父などが山口県宇部市に設立した“メンズショップ小郡商事”であった。その後、徐々に店舗は拡大し、72年に現社長の柳井正氏が入社、84年に広島にユニクロ1号店を開店、91年にファーストリテイリングに社名変更した。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


今週のキーワード 真壁昭夫

経済・ビジネス・社会現象……。いま世の中で話題となっているトピックス、注目すべきイノベーションなどに対して、「キーワード」という視点で解説していきます。

「今週のキーワード 真壁昭夫」

⇒バックナンバー一覧