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金利市場透視眼鏡

将来の為替ヘッジコスト上昇で
リターン低下する米国債

野地 慎 [SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト]
2014年4月30日
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 日本銀行の「量的・質的金融緩和」の効果もあり、日本の10年債利回りは0.6%台での安定推移が続いている。政策効果への期待という観点からは非常に望ましい状況だが、債券の運用者の視点からは、長期金利の低位安定は悩ましい状況である。4月より新年度入りする中、あらためて利回りの高い外債投資への関心が高まると予想される。

 ドル円が105円前後で頭打ちになっていることを考えれば、引き続き為替リスクに慎重な向きが多いことも理解できる。しかし、欧米主要国の政策金利が引き続きゼロ近傍に張り付いていることで、為替ヘッジのコストは非常に低水準だ。いわゆる「為替ヘッジ付き外債」への投資でも相当のリターンが得られる。

 ただし、今後は低水準で推移する為替ヘッジコストの上昇を意識することも必要だろう。為替ヘッジコストは、おおむね諸外国と日本の短期金利の差より算出される。

 金利先渡し取引における18カ月後のドル3カ月LIBOR(ロンドン銀行間金利)はここ数カ月で上昇傾向を強め、長期金利が低位安定する中で「将来の為替ヘッジコストが上昇する」可能性だけが高まっていることがうかがえる。足元の見通し通りに短期金利が上昇すれば、将来、為替ヘッジ付き米国債のリターンが目減りすることを意味している。

 現在、全ての先進国で米国同様の利上げ期待が高まっているわけではないが、米国経済拡大が世界経済に波及すれば、いずれ多くの国において利上げ期待が高まることも予想される。今後の外債運用については、将来の短期金利の水準もにらみながら行っていく必要があるだろう。

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