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認められたい私、認めてくれない社会~「承認不安時代」の生き方~

なぜあの人はタイトルだけ読んで記事を批判するのか
氾濫するネットニュースと「釣り記事」

梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]
【第18回】 2014年5月7日
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これまで当連載では「承認欲求」が強くなっている社会について、社会的な背景を中心にその原因を探ってきた。今回は、スマホの登場によって、人々がニュースや話題を消費する行為にどのような変化が起こり、さらにそれが承認欲求にまつわるどんな新たな現象を生んでいるのかを考えていきたいと思う。

「震災以前、震災以降」はイコール
「スマホ以前、スマホ以降」かもしれない

 現代が情報化社会であることは言うまでもない。だが、真の意味で24時間いたるところで何らかのニュースや情報を享受できる状況になったのは、我々の生活にスマートフォンが定着した時期からではないだろうか。

 総務省の通信利用動向調査の結果によると、2010年末には9.7%に過ぎなかったスマートフォンの世帯保有率が、2011年末には約3倍の29.3%、2012年末には49.5%とほぼ半数に迫っている。わずか2年の間に普及率が5倍になったスマートフォン。このデータから、日本において本格的にスマホが普及したのは、2011年が起点だということがわかる。

 さて、この2011年は、日本に住む私たちにとって忘れ得ぬ出来事が起きた。つまり、東日本大震災があった年である。ニュースや論考などでよく、「震災以降」という表現が使われるが、2011年3月11日を境に我々社会の空気が変わってしまったとする言説をよく目にする。

 しかし、震災というビッグイシューの影に隠れがちだが、スマホ普及も私たちに起きた大きな変化ではなかっただろうか。なにしろスマホは電車のなかやベッドのなか、ありとあらゆる場所で情報を享受できる(あるいは情報の過剰摂取を強要する)ツールなのだから。そして言うまでもなく、スマホ普及はコミュニケーションの変化も引き起こしている。

同業者から一番よく聞く愚痴
「なぜ記事のタイトルしか読まれないのか?」

 ここで突然だが、僕と同業の、つまりWebに記事を書くことを生業とする方々に共通する愚痴を紹介しよう。それは、「なぜ、記事を批判する人たちはタイトルだけを見て過剰反応し、文面を読み込まないのか?」というものである。つまり、記事のタイトルからニュアンスだけを感じ取って、本文を読まないまま否定するという人が見受けられることだ。同業者としてとても頷けるものだが、その背景を考えてみたい。

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梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

ロスジェネ世代(1981年生)の編集・ライター。フリーライター、編集プロダクション勤務を経て2008年より株式会社プレスラボを起ち上げる。著書に『エレベスト』(戎光祥出版)。web上のニュースサイト「下北沢経済新聞」編集長。「GetNavi」(学研)誌上で『コンビニ研究室』連載中。他に「日経トレンディネット」「COBS ONLINE」「R25」「サイゾー」など主にネット媒体で執筆中。起業したのは旺盛な独立心と言うよりも、むしろサラリーマンの職場における煩わしい人間関係から逃げるため。
ツイッター:@umeda_kazuhiko


認められたい私、認めてくれない社会~「承認不安時代」の生き方~

「強迫観念にとらわれたかのようにメールの返信を急ぐ人」、「ランチを一緒に食べる友達がいないと思われるのがイヤで、トイレでご飯を食べる人」……。オジサンには一見不可解な現代の若者に特徴的なこれらの行動。こうした行動を駆り立てる原因を探っていくと、彼らの「認められたい」という思いに行きつく。この連載では、「承認」をキーワードに、特に若者の間で広がる現代社会の生きづらさの正体を考える。

「認められたい私、認めてくれない社会~「承認不安時代」の生き方~」

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