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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

オバマ政権と二人三脚で技術革新を進めるシリコンバレー

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第19回】 2009年6月4日
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 2009年のテクノロジートレンドを占うパネルディスカッションが5月下旬に開催された。Churchill Clubが主催する恒例の会合で、多くの聴衆が集まった。当地の有力ベンチャーキャピタリスト5人が壇上でそれぞれ今年のトレンドについて予測した。

 壇上に座ったのは、Draper Fisher JurvetsonのSteve Jurvetson、Khosla Ventures のVinod Khosla、Hummer Winblad Venture PartnersのAnn Winblad、Sherpalo VenturesのRam Shriram、Accel PartnersのJoe Schoendorfと錚々たるメンバーである。

1. オフラインを知らない世代の台頭

 インターネットに繋がっているのが当然な環境で育った世代が今春カレッジを卒業する。この世代は新聞を読まない。だが、彼らがこれからの斬新なインターネット利用方法を開拓していくだろう。

2. 新型電池の開発への投資が加速

 ベンチャーキャピタル(以下“VC”)によるクリーンテクノロジーへの投資の活発化が続いているが、中でも新型電池に対する投資が大きく増加する見通しである。VCはこの分野で最も注目されるA 123 Systemsに10億ドル(1000億円)もの投資をしている。更に、オバマ政権は新型電池の開発に連邦政府の助成金20億ドル(2000億円)を投じるとしており、この傾向に拍車をかけると予想される。

3. 体系化されていないデータの氾濫

 企業のデータは今後5年間に7.5倍になる。その8割がメール、ビデオ、チャットと言った体系化されていないデータ(Unstructured Data)である。こうしたデータを整理し、体系化する技術を開発した企業が次の時代のITリーダーになるだろう。

4. ワイヤレス・ブロードバンドの更なる成長

コミュニケーションとネットワーキングの分野で、2008年にVCからの投資が増えたのはワイヤレス・ブロードバンドだけであった。オバマ政権が過疎地へのブロードバンド普及に70億ドル(7000億円)の予算をつけており、この傾向は更に加速されるだろう。

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安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ


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シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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