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超入門 資本論
【第3回】 2014年6月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
木暮太一

ぼくらの「値段」は、
資本主義のルールでこう決められている
教養として知っておきたい『資本論』のエッセンス

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商品の値段は「メリット」ではなく、作るのにどれだけ「手間をかけたか」で決まっている。メリットで考えることに慣れたビジネスパーソンには意外に思えるが、これこそ資本主義経済のルールである。そして、労働者の“値段”もまた同じ仕組みで決められていた。

「価値」だけでも、
「使用価値」だけでも、商品にならない

第1回で紹介したように、マルクスが主張したのは、「商品には、“価値”と“使用価値”がある」ということでした。これは逆に言うと、「価値」と「使用価値」がなければ、そのモノは「商品」にはならないということです。

 前回のおさらいですが、使用価値とは「使用メリット」のことであり、価値とは「労力の大きさ」のことです。例えば、パンの「おいしさ」が使用価値であり、「作るのにどれくらい手間がかかったか」というのが「価値」でした。

 商品とは、(自分以外の)他人に売るものです。言い換えると、「価値」と「使用価値」がないものは、他人に売ることはできない、ということです。

 具体例で説明しましょう。たとえば、「使用価値(使うメリット)」がないものは商品になりません。使うメリットがなければ、誰も買ってくれません。道端に落ちている小石や、ぼくが描いた絵が商品にならないのは、「使用価値」がないからです。

 役に立たないものは買ってもらえないというのは、当たり前の話ですね。でも、その当たり前の話が、とても重要なのです。

 マルクスは、生産したモノが商品となるために、「命がけの跳躍」をしなければいけないと説きました。

 商品には、「使用価値」が必要です。しかし、この「使用価値」があるかどうかを決めるのは、他人(お客さん)です。でき上がってみないと、お客さんはその商品を使うことができません。けれど、つくってしまったらもう変更できません。

 自分の思い込みで、「これは使用価値があるはず!」と考えて生産しますが、実際の「答え合わせ」は商品ができ上がってからなのです。

 そして、そのテストに合格しなければ、モノはモノで終わります。商品となることはできず、誰からも買ってもらえず終わるのです。このテストに合格しなければ、商品になれず死んでしまうのです。これが「命がけの跳躍」です。

 使用価値がないモノは、即無意味なものになるのが資本主義経済なのです。

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木暮太一 

[作家、一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事]

慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。
学生時代から難しいことを簡単に説明すること、頭の中を言語化することに定評があり、大学時代に自作した経済学の解説本が学内で爆発的にヒット。現在も経済学部の必読書としてロングセラーに。相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から好評を博し、現在では、企業・団体向けに「説明力養成講座」を実施している。フジテレビ「とくダネ!」レギュラーコメンテーター、フジテレビ「ネプリーグ」、NHKEテレ「ニッポンのジレンマ」「テストの花道」などメディア出演多数。
著書に『「自分の言葉」で人を動かす』(文響社)、『カイジ「命より重い!」お金の話』(サンマーク出版)、『今までで一番やさしい経済の教科書』(ダイヤモンド社)など多数があり、累計150万部。


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