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いまこそ読みたい! ダイヤモンド社100年100冊
【第45回】 2014年6月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

これを読まずして新興国市場は語れない!
先進国企業が生き延びるのに必要な戦略
『リバース・イノベーション』

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今回ご紹介するのは、世界トップ3に選ばれた(経営思想家ランキング「Thinker50」3位)新進気鋭の経営学者、ゴビンダラジャンによる『リバース・イノベーション』です。成長著しい新興国市場を攻略するために先進国の企業は何をすればいいのか、たくさんの示唆であふれています。

イノベーションは
先進国だけで起こるのではない

 イノベーションは成長戦略の要諦であり、最新の技術革新こそ経済成長の基盤だ、と考えられています。もちろん間違いではありませんが、それほど単純でもありません。

ビジャイ・ゴビンダラジャン/クリス・トリンブル著、渡部典子訳『リバース・イノベーション』2012年9月刊。裏表紙には多数の推薦文が載っています。

 本書『リバース・イノベーション』の著者ゴビンダラジャンは、先進国のイノベーションが新しい市場を創出し、豊かな生活をつくり、やがて途上国へテクノロジーや新商品が流れていく、という当然の流れを逆転(リバース)させるイノベーションを発見し、くわしく報告しています。

 リバース・イノベーションとは、簡単に言うと、途上国で最初に採用されたイノベーションのことだ。こうしたイノベーションは意外にも、重力に逆らって川上へと逆流していくことがある。(略)途上国は経済と技術の両分野で富裕国に追いつこうと、少し遅れて進化のプロセスに入る、と考えるのは当然である。(略)しかし、それは完全な誤りだ。富裕国で有効なものが自動的に、顧客ニーズがまったく異なる新興国市場でも幅広く受け入れられるわけではない。リバース・イノベーションが急速に勢いを増している理由はそこにあり、そうした動向は今後も続いていくだろう。(6-7ページ)

 本書には多くの実例が挙げられています。たとえば、ウォルマートが中央アフリカや南米で導入した小型ストアを米国へ逆輸入したこと、GEヘルスケアがインドで開発・販売した安価で電池式の心電計を先進国市場へ拡販したことなど、医療器具から食品まで、さまざまなリバースの例を解説しています。

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坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


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