うちの会社のスゴい商品をヒットさせる方法 石黒不二代
【第6回】 2014年6月6日
著者・コラム紹介 バックナンバー
石黒不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]

「日本人の生産性」は先進国で19年連続最下位
非効率なホワイトカラーの働き方はどう変わるべきか

previous page
4
ソーシャルスケジューラー(rakumo)を元に作成した個人別予定種別集計グラフ。これによって、どの営業担当社員はどういった時間配分で仕事をしているかが一目瞭然だ
拡大画像表示

 例えば、営業担当社員の活動時間を集計して、その時間と担当者の売上高の相関を見ていきましょう。すると、この人は直近3ヵ月間の外出が多いけれど売上が上がっていない…などといった分析をすることができます。

 また、営業成績の良い人、悪い人のデータから会社全体の平均値を出す中で、お客様と頻繁に会っているほうがパフォーマンスは高いのか、あるいは社内できちんと企画を立てている方がよいなど、個々の会社と製品によってどういう営業手法がふさわしいのか、今までは勘に頼っていた部分に仮説を立てることも可能になります。売上アップを阻害していたボトルネックになっている部分も明らかになるでしょう。

 マネジャーは現場の社員に「よく考えて動きなさい」と言うことがよくありますが、これまでは、その働き方を振り返る考える材料がありませんでした。しかし、材料を提供し、マネジャーとの間でも定量的なデータに基づいて議論できるようになれば、社員自ら働き方を改善することも可能になります。

スマホでのスケジュール管理画面。外出先からでも閲覧や入力ができるため、時間の無駄がなくなる
拡大画像表示

 また、クラウドという共通の基盤を使うことのメリットは、これまで別々に管理されていた情報を繋ぐことができるという点にもあります。例えば、勤務状況の情報とスケジュールの情報を繋ぎます。スケジュールと勤務状況の申請は、別のシステムで管理している会社が多いのですが、実際には、社員の方々は、月末にスケジュールの情報を参照して改めて勤務状況の入力することが多いようです。これも、クラウドのスケジュールシステムを使えば、少し手直しするだけで済み、申請の手間が減らせるのです。

 システム構築系の企業では、プロジェクトの原価の把握のために稼働管理が必要ですが、このスケジュールシステムを使えば、稼働管理もボタン1つでできるはずです。また、同じくらい無駄な時間と言えるのが、経費精算でしょう。しかしこれもスケジュールから外出先の場所などが読み取れるようになれば、ボタン1つで申請を完了させることが可能になります。

 現場では、意外なほど、スケジュール管理や業務の申請などの日常業務に無駄な時間を使っていることが多いものです。まず、ここから解放してあげることから始め、経営者も社員も分析から次の一手を読み取る武器を与えてあげることなど、生産性の向上のためには、様々なアイデアが浮かんできます。その分、私たちは、成長余力があるということですね。イノベーションは技術革新だけにあらず、私たちの仕事のやり方を変えることでも、明るい未来を手に入れることができそうです。

previous page
4

経営戦略 一覧ページへ

媒体最新記事一覧

石黒不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]

スタンフォード大学にてMBA取得後、シリコンバレーにてハイテク系コンサルティング会社を設立し、日米間の技術移転等に従事。2000年よりネットイヤーグループ代表取締役として、ウェブを中核に据えたマーケティングを支援し独自のブランドを確立。

うちの会社のスゴい商品をヒットさせる方法 石黒不二代

こんなにすごい技術、製品がうちの会社にはあるのに、なぜ売れないんだろう…。これは多くの日本企業が直面している問題といえます。この連載では、インターネットが当たり前の時代において、経営の目線から自社の技術を生かしつつ、ユーザーに受け入れられてヒットする商品の作り方を解説していきます。

「うちの会社のスゴい商品をヒットさせる方法 石黒不二代」

⇒バックナンバー一覧