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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

ワールドカップ前だからこそ思い起こしたい
サッカーがもたらした静かなる“民主革命”

鈴木寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]
【第9回】 2014年6月12日
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 こんにちは鈴木寛です。

 FIFAワールドカップ(W杯)ブラジル大会開幕を前に嬉しいニュースがありました。なでしこジャパンがベトナムで開催された女子アジアカップ決勝で、強敵オーストラリアを破り、悲願のアジア制覇を成し遂げました。

 キャプテンの宮間あや選手が「男子のW杯の弾みになれば」と語ったように、ザックジャパンの選手たちを勇気づけたのは間違いありません。

 女子のアジアカップは来年夏にカナダで行われる女子W杯の予選も兼ねていました(上位5ヵ国が本大会出場)。こちらも連覇が期待されますが、なんといっても2011年ドイツ大会での世界一の感動は、私も政府派遣で現地同行していたこともあり、一生忘れられません。

 まさに国民栄誉賞の功績として公文書に記載されている通り、「『なでしこジャパン』の愛称そのままに日本女性の素晴らしさを存分に世界に示し東日本大震災の災禍から立ち上がらんとする被災者とすべての国民に勇気と感動」を与えてくれました。

サッカー協会の定款にみる「存在理由」

 『なでしこジャパン』の話を改めて引き合いに出したのは、サッカーやスポーツが社会にもたらす影響力を思い起こしていただきたいからです。

 私はこの3月、日本サッカー協会の理事に就任し、コンプライアンスや組織ガバナンスの整備、グローバル対応を中心に担当しています。政治家になる前の通産省時代もプロリーグ(現在のJリーグ)創設を手伝い、2002年の日韓ワールドカップ組織委員会の情報通信委員も務めました。

 昨年は、国立競技場で藤田俊哉選手の引退試合の運営をサポートしました。サッカー界に関わってきた理由は、私自身が中学・高校とサッカー部員で、大のサッカー好きということもありますが、何よりもサッカーが持つ「ソーシャルイノベーション」の価値に魅了されてきたからです。

 そのことを考える上で、選手のプレースタイルや戦術に詳しいファンの方でも、ほとんど目にしない“渋い”文書をご紹介しましょう。「公益財団法人日本サッカー協会 定款」。何か物々しいタイトルですが、機密文書ではありません。公益財団法人であるサッカー協会のホームページにアクセスすれば、PDFファイルがダウンロードできます。

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鈴木 寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官として大学入試改革などを担当している。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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