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金融市場異論百出

STP化する日本国債市場
強まり続ける日銀の存在感

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2014年6月16日
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 国債市場がひどいことになっている。「STP化してしまった」との自虐的ジョークが債券ディーラーから聞こえてくる。

 財務省が国債発行入札を行うと、その翌日に日銀はほぼ必ず大規模な買いオペを実施する。日銀がオペで国債の価格を押し上げている(金利上昇を抑制している)ため、金融機関や機関投資家がそれを買う意欲は低下している。

 このため、債券ディーラーは、日銀が買ってくれることを前提にして財務省の入札に参加する。財務省から日銀への国債の「横流し」がせっせと行われている。財務省は10年利付国債第333回を3月から5月にかけて計7.7兆円発行した。それに対し、5月30日時点で日銀がその銘柄を保有している額は既に53%に達する。

 STP(Straight Through Processing)とは、トレーダーが行った取引の事務フローをシステム化し、人手を介さない自動処理を指す金融システム用語のことだ。国債の「横流し」が常態化しており、あたかもSTP化されたかのような状況なのである。

 国債を買おうとする金融機関・投資家を追い払って、彼らに他の資産の購入を促すことは、この日銀の政策の当初からの意図である。しかし、それが成功すればするほど、国債市場では、最大の買い手としての日銀の存在感が強くなる。

 戦後施行された財政法第5条は、一部の例外を除いて日銀による国債直接引受を禁じた。昭和7年から始めた日銀国債引受策が止まらなくなった反省がその背景にある。

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