経営のためのIT
【第21回】 2014年7月11日
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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

データ重視経営と企業風土のギャップ(後編)
――分析を企業に根付かせるには

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データ重視の経営を実現するには、経営者を含む全従業員の意識改革に加えて、分析をあらゆる企業活動の中に仕組みとして組み込むことが求められる。

求められる意識の変革

 『データ重視経営とその企業風土のギャップ(前編)――「うちでは昔からこうしてきた」は通用しない』では、経営者自身が事実に基づいた裏付けを常に求める姿勢を示すことの重要性を指摘したが、データ重視の企業風土を築いていくためには、経営層、ビジネス部門およびIT部門のすべてに意識改革が求められる。

 まずは事実に基づく意思決定を行うこと、そしてその事実が企業内で唯一無二の事実であること、つまり、部門ごとやマネジメントの階層ごとに異なるデータではなく、同じデータ(One Fact)を基に判断することが重要となる。

 経営者は、データを重視した経営の舵取りをすることを宣言しなければならない。そして、経営者への報告を含むすべての階層における報告では、データの裏づけを要求することが習慣化されなければならない。

 経営者やビジネス部門のユーザーは、競争優位を生み出す戦略や戦術の遂行のためにどのようなデータが必要であるかを考え、分析に対するニーズを明確に示すことが求められる。

 IT部門は、ユーザーが分析を行う際に必要となるデータ基盤やツール環境を整備するとともに、分析に関するノウハウとスキルを蓄積し、必要なアドバイスを提供していくことが求められる。環境の整備だけがIT部門の業務分掌であり、データ活用はユーザーの責任と考えるIT部門は、部門の将来性を自ら狭めることとなろう。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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