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データ分析ってこうやるんだ!実況講義
【第4回】 2013年10月3日
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吉本佳生

データ分析は、成果を周囲に話すことで
スキルアップや楽しみにつながる!

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データ分析はなかなか思うようには進まないもの。でも、ふと思いついた疑問について調べたデータで気づいた面白い特徴を、周囲の人との会話のネタに使ってみてください。相手が納得したり驚いたりするほか、数字は説得力や交渉力を補強するので、そうしたコミュニケーションは慣れると楽しくなります。それこそが、データ読解・活用の達人への道に踏み出す第一歩なのです!

 データを調べて気づいた内容が、正しいこともあれば、まちがっていることもあるでしょう。データをたくさん調べたのに、なにも気づきが得られないときもありそうです。しかし、仕事のなかで、あるいは生活のなかで、なにか疑問を感じたら、まずは基本データの確認をしてみる習慣を身につけると、あなたのデータ読解・活用能力は着実に高まるはずです。

 いきなり、ジニ係数のデータの問題点に自力で気づけるレベルのデータ読解力をめざす必要はないでしょう。ジニ係数が計算方法に凝ったデータだからこそ、特殊な問題が起きやすいのです。たいていの場合、ふつうの感覚でデータを調べればいいのです。また、過去に調べた事があるデータを再びチェックしてみることも大切です。“ダメでもともと”という気持ちで、自分が調べるのに慣れたデータを使おうと試してみるべきです。

 ジニ係数のように抽象的なデータ(凝った統計)は、たとえそれをカンペキに使いこなせたとしても、上司や同僚に結論を説明して納得してもらいにくいという問題があります。洗練された統計分析によって導かれた結論にも、同じような問題があります。

 それに比べて、図表1のように、高校生や大学生がいる世帯のケータイへの支出が、学生のいない世帯での支出を大幅に上回るという単純なデータは、それに基づく提案の説得力を増します。ビジネスでたくさんの人を動かす提案をするときには、シンプルなデータほど納得しやすいから、説得に使いやすいという原理を忘れてはいけません。

シンプルであるがゆえに説得力があるデータを都合よくみつけられるようになりたいなら、たくさんのデータを読む経験を積むことです。そのためには、ちょっとでも気になる疑問が浮かんだら、すぐにデータを探して調べる習慣を身につけることです。経験を積んで慣れることで、短時間で都合のいいデータが見つけられるようになるでしょう。

 統計学の深い専門知識をもつ人が、いろいろなデータの読みこなしに強いのは、ひとつには多彩な分析手法を熟知しているからです。しかし、もうひとつ、過去に膨大なデータを読みこなしてきた経験によって、直感的にみるべきデータに自然に目がいく、という点も大きいと思われます。

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吉本佳生

 

エコノミスト・著述家。1963年三重県紀北町(旧・紀伊長島町)生まれ。名古屋市立大学経済学部卒業、住友銀行勤務を経て、名古屋市立大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。広島市立大学国際学部専任講師、南山大学経済学部助教授(准教授)などを経て、2012年から関西大学会計専門職大学院特任教授。 著書に、『金融工学の悪魔』(日本評論社)、『金融広告を読め』(光文社新書)、『スタバではグランデを買え!』『金融商品にだまされるな!』『クルマは家電量販店で買え!』(以上、ダイヤモンド社)、『無料ビジネスの時代』(ちくま新書)、『数字のカラクリを見抜け!』『「世界金融危機」のカラクリ』(以上、PHPビジネス新書)、『確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり』(講談社ブルーバックス)、『日本経済の奇妙な常識』『日本の景気は賃金が決める』(以上、講談社現代新書)、『これから誰に売れば儲かるのか』(幻冬舎)などがある。主に2009年に放送されたNHKの経済学教育番組『出社が楽しい経済学』の監修・出演者。専門分野は、生活経済、国際金融、金融経済(ファイナンス)。

 


データ分析ってこうやるんだ!実況講義

ビッグデータ時代の到来がさけばれ、データ読解・活用力がますます問われ始めています。危機感を高めている文系ビジネスパーソンに対して「統計学がわからなくても大丈夫! 基礎的なデータ読解力があれば、仕事にも十分応用できる!」と力強いエールを送るのは、数多くの著書で鮮やかなデータ解析力を披露するエコノミスト吉本佳生さんです。本連載では、身近なデータを使いながら読解プロセスや読み誤りを防ぐコツをまとめた、吉本さんの新刊『データ分析ってこうやるんだ!実況講義』のエッセンスをご紹介していきます!

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