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田村公正・USEN社長インタビュー
変化する市場への適応能力こそ成長の源泉
「100年企業」を見据えた挑戦に迫る

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第42回】 2014年7月15日
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1960年代の創業以来、日本の有線音楽配信を牽引してきた株式会社USEN。一時期多角化路線をとった同社は、原点回帰を目指し、選択と集中を進めてきた。財務体質の改善や収益基盤の再構築に一定の目途が立った今、より市場のニーズにマッチしたサービスの開発や営業力の強化に動く。コア事業である音楽配信をベースに、USENが打ち出そうとしている新機軸とはどんなものか。社員時代は営業畑を中心に活躍し、今につながる多くの「ビジネスの芽」を生み育ててきた田村公正氏は、USENのプロパー社員としてトップに上り詰めた初の社長である。誰よりもUSENのDNAを強く持つ田村社長に、今後の戦略と自社の未来予想図を詳しく聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 副編集長・指田昌夫、小尾拓也)

音楽配信の競争は激化しているが
USENが培って来た力を信じている

――USENは多角化していた事業を整理し、店舗はもとより大型商業施設向けBGMなどの本業により力を入れ始めたと聞きます。USENのプロパー社員として初めて社長になったという経歴を考えると、田村社長はやはりUSENが持っていた本来のDNAを重視しているのでしょうか。音楽配信事業の現状はどうなっていますか。

たむら・きみまさ
株式会社USEN代表取締役社長。1971年生まれ。兵庫県出身。上武大卒。94年大阪有線放送社(現USEN)入社 。2004年東東京支社長、その後、2010年常務執行役員、2011年副社長執行役員に就任。2013年11月より現職。

 私は、「USENはこうあるべきだ」ということを強く定義しているわけではないです。もちろん、音楽配信は主力事業なので重視はしていますが。

 USENの音楽配信事業は業務店部門とパーソナル部門の大きく2つから成り、業務店部門は個人経営店舗、個人オーナーを中核とした「リテール部門」とチェーン店向けの「ホールセール部門」に分かれています。パーソナル部門は個人宅向けのビジネスです。

 業務店部門における事業の規模はリテール部門が全体の約3分の2、ホールセール部門が約3分の1となっており、このホールセール分野では、現状お取引各社様とも集客やプロモーションを強化されています。一方のパーソナル部門は、当社のSTB(セットトップボックス/据え置き型チューナー)モデルの音楽配信サービスに一定のファンがおり、過去に営業を強化していた時期もありますが、率直に言うと足もとでの契約は減少傾向にあります。

――現在の業務店向け音楽配信にチャンスはありますか?

 売上もシェアも比較的大きいリテールマーケットにおいては、多様な価値観を持った若い経営者が増え始めたこともあり、以前のように全面的にご支持をいただける肥沃な市場というわけではなくなりました。私が営業の最前線でやっていた20年ほど前と比べても、やはり環境の変化は大きいと認識しています。ホールセールについても、価格・品質を含めた競争が激化しています。

 ただ、音楽放送を50年間やって来たUSENのブランド力は信じています。お客様が新規開店する際に、「まずはUSENに声をかけてみよう」と思っていただけるくらいのポジションは、市場で堅持できていると思っています。リテールが若干減ってホールセールが増えるなど売上構成は変化していますが、全体的に業務店向けは安定的に推移していますね。

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