経営 × オフィス

メリットは多いのに、
なぜ、女性テレワーカーは増えないのか?
――調査結果から見えてくる意外な現状と課題

河合起季
【第5回】 2014年7月25日
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女性のライフスタイルから
仕事を考える

 三菱総合研究所が主催する「プラチナ社会研究会」の分科会の1つ、「女性のライフスタイルから考えるプラチナワークスタイル分科会」が実施した『女性の働き方に関するアンケート』で、テレワークに関して興味深い結果が出た。今回は、このアンケート結果を基にテレワークの課題について考えてみたい。

 はじめに、プラチナ社会研究会と同分科会、最近のテレワークの動向について紹介しておこう。

 プラチナ社会研究会は、日本が今抱える環境問題と高齢化問題を産業化することによって、デフレと雇用問題を解決する「プラチナ構想」の実現に向け、産官学共同で社会に提言していくことを目的に2010年に設立された。2014年6月末現在、企業をはじめ、自治体、大学・研究機関など413の会員が参加し、10程度の分科会が活動している。

三菱総合研究所・プラチナ社会研究センターの川上千佳研究員

 同分科会の発足について、三菱総合研究所プラチナ社会研究センターの川上千佳研究員は次のように話す。

 「2年前に『女性視点で考える次世代テレワーク分科会』を当社と博報堂、凸版印刷で立ち上げました。1年間、女性のテレワークについて検討しましたが、テレワークはツールや手段であり、自分たちの問題意識や関心は女性の働き方にあるという認識に至り、昨年度は『女性のライフスタイルから考えるプラチナワークスタイル分科会』として活動しました。この分科会での提言をまとめるために行ったのが『女性の働き方に関するアンケート』です」

一時高まったテレワークへの関心も
今は薄れ気味!?

 テレワークとは、「情報通信手段を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」のこと。1990年代からある“古くて新しい言葉”だが、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災で再び脚光を浴びるようになった。コスト削減に迫られたことや、災害時、パンデミック発生時の仕事の仕方を考える必要性が高まったからだ。

 最近では、育児や介護などの負担から会社で常時仕事をしにくい社員を対象とするテレワークが、ワークライフバランスを実現する手段の1つとして注目されている。

 さらに、この連載でも紹介しているように、フリーアドレス制やクラウド、Web会議システム、社内SNSといったITツールを積極的に活用し、ビジネスパーソンの新たな働き方を追求している企業も現れ始めた。当初のテレワークとはずいぶんと意味合いが変わってきたようだ。

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人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

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