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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

クラウド環境での開発を初体験した
システムエンジニアが抱いた危機感
――日本版「MOOC」の開発者に聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第6回】 2014年8月8日
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日本版MOOC「gacco」のWebサイト

 有名大学の教授による講座を、オンラインで無料で受講することができる「MOOC(ムーク)」は、2012年に米国で誕生し、全世界に広がっている。

 そのMOOCの日本版サービスとして今年4月からスタートしたのが、「gacco(ガッコ)」だ。NTTドコモとの共同事業であり、システム開発、会員サポート等の運営は、NTTグループで有料eラーニングシステムの開発・運営経験があるNTTナレッジ・スクウェアが担当する。

 MOOCが従来のオンライン授業と異なる点は、単に先生の講義を聴講するだけではなく、各講座が1本10分程度の単位の講義動画に細かく分けられていること。一連の講義をすべて受講し、学びを確認するための修了試験(講座により内容は異なる)を受けて合格点を取れば、「修了証」がPDFデータなどの形で発行される。

 オンラインで会員登録した受講者は、受けたい講座を自分のペースで進めて、修了証を受け取ることを目指す。講師や講座運営スタッフへの質問や学習テーマについての会員間の掲示板なども作られていて、疑問について議論することもできる。

 オンラインで授業を受けて、修了証をもらうところまでは無料。その他に、希望者には数千円で参加できる対面での反転授業を設けて、先生や生徒同士の交流を図っている講座もある。この有料オプションサービスが、現時点でのgaccoの主な収益源となっている。

バーチャル環境で次々と
“サーバを捨てながら”短期開発

 gaccoの開発が実際に始まったのは昨年12月。その後わずか3ヵ月で、2月には受講者の募集を開始し、4月からオンラインでの講義がスタートしている。会員数は、5月に5万人、7月には6.5万人と順調に増加しており、これは運営者側の想定以上の伸びだという。

 開発の中心部分は、米国で実績があったMOOCのシステム(「Open edX」という名称)を日本語化し、スマートフォンやタブレットに最適化したデザイン(レスポンシブルデザイン)にすることだったため、まったくのゼロから作り出すわけではなかったが、極めて短い期間で、日本ではじめてのサービスを立ち上げる必要があった。この条件下で、NTTナレッジ・スクウェアがシステムの基盤として選択したのは、パブリック・クラウド環境である「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」だった。

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