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GMとクライスラーの合併交渉が物語る
米自動車産業の荒廃

2008年10月31日
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ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの合併交渉が大詰めを迎えている。公的支援の確保を狙って、債務超過企業が赤字のライバル会社を飲み込むという前代未聞のM&Aは、米自動車産業の荒廃ぶりを示している。

 リチャード・ワゴナーCEOらGMの首脳陣が11月中にも、日本とフランスを訪れるとのうわさが、デトロイト自動車産業の中枢を駆け巡っている。クライスラーとの合併交渉で忙殺されているはずのこのタイミングで、なぜなのか。複数の関係者が口々に囁く理由は、“ルノー・日産自動車”連合を率いるカルロス・ゴーン社長とのトップ会談の可能性である。

 GM、クライスラー、ルノー・日産――。この三陣営を線で結ぶ根拠には事欠かない。

 時計の針を2年ほどまき戻した2006年夏に、GMと日産・ルノーの資本提携交渉が、当時GMの大株主だった著名投資家カーク・カーコリアン氏の仲介で、もたれたことはまだ記憶に新しい。世界販売台数でトヨタ自動車を大きく突き放す巨大自動車アライアンス構想は3カ月に及ぶマラソン交渉の末に御破算になったものの、、「そもそも交流のあったワゴナー氏とゴーン氏は以後さらに親睦を深めた」(GM関係者)という。

 当時米国のライトトラック部門(ピックアップトラックやミニバンなど)の強化を急いでいた日産はGMという有力提携相手を逃したことから、その後、独ダイムラーの傘の下を離れ投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメント主導で再建を進めていたクライスラーとの提携に活路を求めた。

 2008年1月、事業提携で合意。日産がクライスラーに小型車「ヴァーサ(日本名ティーダ)」などを供給する一方、クライスラーは日産にピックアップトラックの「ダッジ・ラム」を、次期日産「タイタン」として納入するといったOEM車の相互融通で手を結んだ。その後、日産が、サーベラスから何度かクライスラーへの出資を求められていたことは業界内では周知の事実だ。

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