孫子からクリステンセンまで、3000年に及ぶ古今東西の戦略エッセンスをまとめた書籍『戦略の教室』から、特に有名な10の戦略を紹介する連載。第5回はドラッカーが個人の仕事術について語った名著『経営者の条件』。才能や個性は関係ない、誰でも成果を生み出せる5つの習慣とは?

組織に妨げられずに成果を出す「5つの習慣」とは?

マネージャーが成果をあげるための仕事術

 経営思想家として大きな足跡を残したピーター・F・ドラッカーは、組織の中で大小に関わらず、何らかの意思決定をしている人をエグゼクティブと定義しており、彼らの仕事はまさに「成果をあげることである」としています。

 ところが、経営者やマネージャーが、どうすれば仕事の成果を最大化できるのか、体系的で普遍的な仕事術は、あまり語られることがありません。仕事の成果につながるのは、独自のスタイルなのか、才能なのか、個性なのか。ドラッカーはそのいずれでもない、と私たちに教えてくれます。

 組織マネジメントの父として世界的に著名なドラッカーが、マネージャー個人の成果向上のために解き明かした仕事術とは、一体どんな内容なのか? 本書ではドラッカーの代表作の一冊として名高い『経営者の条件』から、マネージャーが成果を向上させるための仕事術を、戦略として分析してみたいと思います。