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心理戦術で相手を操る『交渉力養成ドリル』

問題形式で強化する!ビジネスに即活用できる「交渉力」

内藤誼人 [心理学者]
【第7回】 2007年12月20日
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心理戦術で相手を操る『交渉力養成ドリル』
内藤誼人 著 ダイヤモンド社刊 1400円(税別)

 欧米人には柔道や相撲ができないというのが迷信であるように、日本人が交渉ベタだというのも、まったくの俗説であり、とんでもない迷信である。

 欧米人の体型は、腰の位置が高いから、柔道や相撲にむいていないという主張は、なんとなく筋が通っているように思えるが、実際には、欧米人だって、柔道や相撲ができる。オリンピックで金メダルをとる選手も1人や2人ではない。日本人は、腹芸を得意とし、以心伝心でやってきた国民性をもっているから、交渉が苦手なのもしかたがないんだ、としたり顔で論じる識者もいるが、そしてその主張には納得できる部分もないわけではないが、やればだれでもできるのが交渉なのだ。

 「俺は日本人だから、交渉がヘタ」と自分自身で諦めてしまっていては、できるものもできるようにはならない。まず叩き潰すべきは、そういう“苦手意識”なのだ。

 おそらく皆さんは、現時点では、それほど交渉が得意ではないとお察しする。しかしそれは、これまでの人生の中で、交渉に関する練習をまったくしていないからなのであって、いわば交渉ごとに関しては、生まれたばかりの赤ちゃんのような状態なのだからであって、それはあなたの責任ではない。それは不可抗力なのである。

 たとえば、日本の教育では、スピーチ学や、コミュニケーション学、弁論法などを学ぶ授業がない。私立の学校ではひょっとするとあるのかもしれないが、私はそういう学校を知らないし、とりあえず公立の学校には存在しない。大学生にでもなれば、知識としてそれらを学ぶことはあるかもしれないが、欧米で必修の課目として練習させるのに比べて、まことにお寒い状況である。日本社会で育つ普通の人間は、自分の意見を堂々と主張し、どうやって論陣を張ればいいのか、どうやって相手を丸め込むか、どのように聴衆を見方につけるか、などを練習することはほぼ皆無だろう。これで日本人の交渉力が高かったら、それこそ奇跡である。

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内藤誼人 [心理学者]

慶応義塾大学社会学研究科博士課程修了。(有)アンギルド代表取締役。現在は、企業研修や講演等で、心理学の法則をもとにした人材育成や販売促進、企画力促進などに力を注いでいる。著書に『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『人は「暗示」で9割動く!』(すばる舎)、『パワーセルフ』(ダイヤモンド社)ほか多数。


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