テレビ「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」で紹介! 幼稚園児~小学生を「メシが食える魅力的な大人に育てる」ことを主眼とした学習塾「花まる学習会」の「本当に頭がいい子の育て方」を徹底解説! 作文・読書・思考力・野外体験を重視したユニークな教育手法は全国で多くの支持を得ている。

「言葉の数」は、
日常の体験から増やすのが基本

子どもの日本語力があぶない!?<br />家庭で国語力を高める6つの方法花まる学習会 代表
高濱正伸(たかはま・まさのぶ)

1959年、熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。同大学大学院修士課程修了。1993年、小学校低学年向けの「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を重視した学習教室「花まる学習会」を設立。同時に、ひきこもりや不登校児の教育も開始。1995年には、小学4年生から中学3年生対象の進学塾「スクールFC」を設立。教育信条は、子どもを「メシが食える大人に育てる」こと。「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」をはじめとするテレビ出演のほか、ラジオ、雑誌、新聞などにおいても、そのユニークな教育手法が紹介されている。著書の累計売上100万部超。

 花まるグループの進学塾部門である「スクールFC」に、「3年間、ずっと、サッカーの作文だけを書き続けた」子どもがいます。高橋勝くん(仮名・中学3年生)です。

 高橋くんはいつの間にか、自分の身体感覚(実際の体験)を巧みに、正確に、多様な語彙力で表現できるようになりました。

 いつも同じ表現ばかりでは、当然、本人自身も飽きてきます。だから、書き方を工夫するようになったのでしょう。

「巻き込むように、ボールの右サイドをこすり蹴った」
「ボールがつま先に当たる瞬間に、ギュイッと力を込めた」
「ボールがヒュッと足に吸い付くように、ドリブルをした」

 高橋くんのお母さんは、最初は「サッカーのことばかり書かないで、もっとほかのことも書いてほしい…」と不満げでしたが、サッカーだけを題材に、「身体感覚を表現する」ことを続けたからこそ、状況描写が非常に上手になったのです。

 言葉の正しい使い方を習得するには、「語彙(ごい)」の数を増やす必要があります。
「知っている言葉(語彙)」の数が少ないと、「自分の言いたいことを的確に伝える」ことも、「相手の言いたいことを正しく理解する」ことも、「出題意図を汲み取る」ことも、できにくくなります。

 では、どうすれば、語彙を増やすことができるのでしょうか?
 それは…、前述の高橋くんのように、

日常の中にとけ込んでいる言葉を、実体験として少しずつ、すくい取り、摂取して、語彙力を身につけていく

しかありません。
「家庭でできる語彙力のつけ方」にはいろいろありますが、その中で、とくにみなさんに実践していただきたい「6つの方法」をご紹介します。