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週刊・上杉隆

検察という国家権力にすり寄る記者クラブメディアの醜悪

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第111回】 2010年1月28日
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 「週刊朝日」先週号(検察の狂気)への反響が凄まじい。国会では与野党党派を問わず多くの国会議員や秘書、党職員に声を掛けられた。一方で政治記者からは皆無だ。

 また、編集部には前例のないほどの激励の手紙やメールが寄せられているという。ツイッターなどのネットも同様の反応で盛り上がりを見せている。

 そして同じ「週刊朝日」に今週も書いた。タイトルは「検察の卑劣」。文字通り、国家権力である検察の卑劣さと、そこに寄生する記者クラブの不健全さをリポートした。内容は同誌に譲るとして、すでに筆者のツイッターには先週号以上の反響が寄せられている。
http://twitter.com/uesugitakashi

 一方で、既存の記者クラブメディアには抗議が殺到しているという。だが、これまでと同じように記者クラブメディアは自らに不利な情報を一切報じようとしない。そのために抗議の内容は明らかになっていないが、各社の幹部に取材した。

 「今回は、これまでの抗議とは量も質も違っている。『小沢が悪い、検察が悪い』ではなくて、検察のリーク報道に対して、『本当なのか、説明しろ、騙してきたのか』という例のない類のものばかりだ。正直、手をつけられない」(朝日新聞政治部記者)

 「視聴者センターへの抗議の電話本数については把握していないが、相当寄せられているというのは確かだ。その8割程度は検察とその報道に対する苦情だそうだ」(NHK報道局幹部)

閣僚たちの疑義に
メディアは「権力の横暴」

 永田町も、検察リーク報道問題で喧しい。各閣僚が記者クラブの発表報道にようやく疑問を呈しはじめた。

 中井洽国家公安委員長が「特捜部にも説明責任がある。何の事件か分からないというのが率直な感想だ」といえば、赤松広隆農林水産大臣が「検察の言うことが100%正しいということは絶対にない。冤罪捜査もいっぱいある」と語る。

 「『関係者』という報道は、何の関係者なのか分からない。検察の関係者なのか、被疑者(の関係者)なのか」と原口一博総務大臣が疑義を呈し、平野博文官房長官が「あまりにも一方的に情報が媒体に出てくることで不公平感を感じるところはある。弁護士の話が出てこず、一方的に『関係者の話によると』とか、少し一方的かなあという気はする」と述べるという具合だ。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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