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出口治明の提言:日本の優先順位

オランダはネーデルラント、習近平はシー・チンピン
グローバル時代に即して「言葉遣い」も見直そう

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第126回】 2014年9月30日
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 初めて異国の地を踏んだのは、20代の時、アムステルダムだった。拙い英語で「オランダに来られて嬉しい」と話したが、オランダという表現では全く通じないことに気がついた。そうだ、現地ではネーデルラント(英語ではネザーランド)だったんだ、と我に返ったが、わが国では世界では通用しない言葉が今でも多数使われている。これからのグローバル時代を展望すると、一度、普段なにげなく使っている言葉を見直してみる必要があるのではないか。

オランダはネーデルラントに、
イギリスは連合王国に

 日本語のオランダは、ネーデルラント西部の地域、ホラント(アムステルダムやロッテルダム、ハーグなどの主要都市が含まれる)に由来する。ホラントがポルトガル語経由で入ってきたものである。これに対して、ネーデルラントは「低地の国々」を意味する。フランス語のペイバも同じ意味である。国の特徴をよく表わしているので、これからの教育では始めから(オランダではなく)ネーデルラントと教える方が理解が進むのではないか。

 全く同じことが、イギリスという言葉についても言える。この国は、世界ではUK(ユナイテッド・キングダム)すなわち連合王国と呼ばれている。正式名称はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国である。イギリスはイングランド(スコットランド及びウェールズと共にグレートブリテンを構成)をポルトガル語で呼んだ訛りから来ているそうだ。連合王国が4つの国の連合体であると認識すれば、先日のスコットランドの独立を巡る騒動も理解がしやすくなる。ロンドンを訪れた時も、イギリスよりUK(連合王国)で覚えておいた方がはるかに簡便だ。

 このように考えれば、文科省が音頭を取って、オランダやイギリスの代わりにネーデルラントや連合王国(もしくはUK)という、より正確な用語を教育の現場で用いるよう指導し、それとともに、テレビや新聞等のメディアがより正確な用語を使うように側面協力すれば、用語の見直しはそれほど難しいことではないと考えるがどうか。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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